10月17日19時 武蔵野市民文化会館 小ホール


ピアノ:アブデル・ラーマン・エル=バシャ


F.F.ショパン
マズルカ Op.41
ポロネーズ第5番 嬰ヘ短調 Op. 44
ノクタンーン第13番 ハ短調 Op.48-1
ノクタンーン第14番 嬰ヘ単調 Op.48-2
バラード 第3番 変イ長調 Op.47

スケルツォ第1番 ロ短調 Op.20
12の練習曲 Op.10
アンコール
エル=バシャ:前奏曲と歌 No.6 Marie ou la mort d'une enfant

バシャは以前にLFJで一度だけ聴いた、その時演奏されたのはベートーベンのソナタで、格調高い模範的演奏が披露された
ネットで調べてみると、レパートリーが広くショパンは全曲録音しており、作曲もするという
そして、今日はオールショパンプロだ、武蔵野は満席

先般聴いた、務川さんのオールショパンのリサイタルは1842年の作品が選曲されていた
今回はパンフレットには選曲の趣旨についての記載はなかったが、前半に演奏された曲は1841年の作品が中心になっている
バシャはショパンの全曲録音を年代順に行っているというから、もしかしたら作曲の時期についても多少の意図はあったのかもしれない

果たして模範的なショパンが披露された、打鍵は精確かつダイナミック
4曲のマズルカとポロネーズが弾き終わった時点で、バシャは座っていたのだが、自然発生的に拍手が起こった
その拍手に合わせるようにバシャは立ち上がり一礼した、もしかしたらバシャは次の曲も一気に演奏するつもりだったのかもしれない
その辺りの観客との無言のコミュニケーションが取れていなかったように思われる
バラードも熱演だったのだが、あまり心に響かなかった

後半最初のスケルツォはバシャの演奏技術が存分に発揮された熱演で、やはり自然発生的に拍手が出た
そして、エチュードは早むのテンポでさくさくと演奏されたが、ショパンらしさは感じられなかった
不用意にショパンらしさと書いたが、それが何かを説明できる訳ではない
ただ、ショパン弾きのコルトーなどと云ったものなのだ

アンコールは知らない曲だったが、なんと自作曲だった
ショパンらしさは感じなかったが、上質な演奏ったことは間違いない
来年のLFJに来てくれたら、また聴いてみたいです