10月9日19時 サントリーホール

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
フルート:セバスティアン・ジャコー

グリーグ/組曲「ホルベアの時代から」 作品40
ニルセン/フルート協奏曲
アンコール
ドビュッシー:シリンクス
シベリウス/交響曲 第5番 変ホ長調 作品82

懸念は有ったが、今年もブロムシュテットの10月定期が無事開催の運びとなった
10月に入ってから、毎日のようにN響のTwitterを確認するも、なかなか関連情報が出なかったが月曜にようやく来日情報がアップされ一安心

ステージにオケの面々が登場し拍手が起こるが、途中その面々に混じってブロムシュテットが歩行器に支えられて登場し拍手が一段と増す
昨年までは、オケ入場後にコンマスに殻を支えられながら入場していたのだが、
その際に、コンマスがおそらく高価なヴァイオリンを片手に持ったままマエストロを介助しているのは如何なものか(何かあったときにはヴァイオリンがダメになってしまうのか?)
などの、疑問の声を受けた改善なのだろうか、ともあれ歩行器をと使ったマエストロの足取りは確かだった

1曲目のホルベアの時代からは、小規模の弦楽合奏、ヴァイオリンは対面配置、コンマスは郷古さん
座って、タクトなしに指揮するマエストロの動きは客席からは確認できないほど小さかった
しかし、奏でられる音色は少し憂を帯び、この曲にピッタリ、ステージに北欧の風が吹いた

ここでブロムシュテットは一旦退き、待ち構えていた管楽器陣と植松さんがさっとステージに上がる
程なくしてジャコー、そしてブロムシュテットが登場する、
ニールセンのFl協は、特に予習もせず初めて聴いたが、明るい曲調で聴きやすい曲だった
ジャコーは初めて聴いたが、好感の持てる演奏だった

後半はオケは14型に増強、、
シベリウスの5番は、個人的には初めて聴いたシベリウスの交響曲で、個人的には交響曲の中では4番と並ぶ最高傑作だと思っている
ここ数年、ブロムシュテットは、ニールセン、ベルワルト、ステンハマルなどの北欧の作曲家を採り上げることが多かったが、シベリウスの交響曲は久しぶりのような気がする
演奏はスケールの大きいもので、マエストロも肩より上から手を振り下ろすなど前半より大きな動きを見せていた、
テンポは速すぎず、遅すぎず、良く統制されており、2楽章のテンポの揺らぐ部分が心地よかった、
マエストロは耳の感染症を患って以降補聴器を使用しているというが、各楽器に指示を出すタイミングなども的確であった
本日はオケのメンバーも気合が入っていたようで、管楽器の演奏にも傷が無かった

終演後マエストロは歩行器を使って、何度もカーテンコールに応えてくれた
先だって発表された来シーズンの予定にも、ブロムシュテットは、しっかりと名を連ねている、この調子だと来年も、そして再来年の100歳コンサートも期待できるのではと思わされた