7月20日14時 北とぴあ さくらホール

藤岡幸夫(指揮) 
オーケストラ・トリプティーク 
三宅政弘(コンサートマスター) 
生誕100年記念合唱団

芥川也寸志:
交響管絃楽のための前奏曲(1947
交響管絃楽のための音楽(1950
交響三章(トリニタ・シンフォニカ)(1948)

日扇聖人奉讃歌「いのち」(1988・遺作) 
映画『八つ墓村』より(1977オリジナルスコア版)
    メインタイトル
    鎧武者
    惨劇・人殺し
    青い鬼火の淵
    呪われた血の終焉
    エンディング
交響組曲「東京」第4楽章 Allegro Ostinato(1986)

生誕100年の芥川作品をまとめて聴けるということで参戦
会場の北とぴあは、初めて行く王子駅駅直結のホール
ホワイエでは全音の楽譜や、CDが販売されている他に指揮棒など遺品や写真の展示もあった

オケは弦が、8,6,4,4,4の小編成のオケ、これに管楽器、ハープ、ピアノ、鳴り物が多いので打楽器奏者は4名
男子は黒のスーツに蝶タイで統一されていたが、女子はそれぞれカラフルな装い、皆若い
開演前に、今回のコンサートのプロデューサによる案内と芥川夫人の眞澄さんの挨拶があった後、藤岡さん登場

交響管絃楽のための前奏曲は、東京音楽学校の卒業作品で、芥川最初のオーケストラ作品という
今回初めて聴いたが、ビオラに始まり、随所に現れる弦、管楽器のソロが印象的
生涯の友團伊玖磨はこの曲がお気に入りだったとか、そういえばパイプの煙に、芥川との軍楽部でのエピソードが有ったのを思い出す
交響管絃楽のための音楽は、前曲の3年後の作品だが、ぐっと洗練された曲調
日本作品に積極的に取り組んでいる、カーチェンが最近クリーブランドで採り上げたそう

前半の最後の交響三章で、藤岡シェフは一転してテンポアップしオケをガンガン煽る
若き奏者たちも、このノリノリのタクトに良く応え、終曲後はブラボーも飛んだ

後半最初は遺作となった「いのち」、芥川は合唱パートの完成後、作曲途中のオケパートを鈴木行一氏に託したという
ステージ左右の花道には、生誕100年記念合唱団の4声の面々が黒の衣装に身を包み整列していた
法華経の念唱から地の底から響くように開始する曲は、次第音量を増して金管も加わり大きく盛り上がる
中間部では一旦落ち着きを見せるが、後半は芥川の師である伊福部彷彿させるように激しい燃え上がる
今年藤岡の指揮でシティフィルの釈迦と仏陀を聴いているが、今日の「こころ」で見事に成仏したように思える

次の八つ墓村は、今回発見されたオリジナル楽譜による演奏だそう
渡されたパンフを見ると芥川は結構映画音楽も書いている、
私は八つ墓村は観てないが、観た映画では市川崑の野火の音楽が芥川だったのを見つけた
最後は、交響組曲「東京」で景気よく終了した