5月29日19時 トッパンホール

トーマス・ヘル(ピアノ)
周防亮介(ヴァイオリン)
水野優也(チェロ)
竹原美歌(パーカッション)
ルードヴィッグ・ニルソン(パーカッション)
竹泉晴菜(パーカッション)

ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番 ホ短調 Op.67
J.S.バッハ:トッカータ ニ長調 BWV912
ショスタコーヴィチ(デレヴィアンコ編/室内楽版):交響曲第15番 イ長調 Op.141a

今回はバッハを挟んだショスタコビッチのプログラムだ
好事家が多いのか本日の公演は完売である

ピアノ三重奏曲は、チェロの擦れるような弱音から始まり、これにヴァイオリンの弱音が重なり、鐘の音のようなピアノが加わり、厳粛な雰囲気というか葬送のイメージで開始する
如何にもショスタコらしい暗い作品、作曲は交響曲7番、8番と同時期で、さもありなんと思う
それぞれの楽器には高度の表現力が求められるが、VnもVcも見事な演奏、20数分の大作だが聴くものを飽きさせない演奏だった
周防さんは何度も聴いているが、水野さんはどこかで聴いたと思ったら反田さんのコンサートで聴いていた

トッカータは何ともレガートな演奏で、耳に心地よい
現代音楽の印象が強いヘルなので、バッハの演奏を聴くのは貴重な機会かもしれない

後半は交響曲15番を編曲したもの、ショスタコの許可の下、作品番号141aが与えられることになった
2009年に、このトッパンホールで日本初演されたが、本日はそれ以来の再演となった
ピアノ三重奏曲の3人に、パーカス担当の3人で演奏、ステージ上には各種打楽器が並べられた、竹原、ニルソンは第1夜にも登場したが、竹泉さんは初めて
竹原は大太鼓、ニルソンはマリンバ、竹泉さんは小太鼓を主に担当していた、ヘルの右に置かれたチェレスタは多分ヘルが右手を伸ばして弾いたのだろう
プログラムには演奏に使用された打楽器が書かれていないのは不親切と思う
さて、管楽器の無いこの構成でどのような演奏になるのかと思ったが、思いのほか再現度が高い演奏だった
有名なウィリアムテルはほぼVcが弾いたが、最後だけVnだった、
多分一期一会となるだろう、好企画なので来年以降にも新作を期待だ