10月10日19時 サントリーホール

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
クラリネット:伊藤 圭(N響首席クラリネット奏者)

シベリウス/交響詩「4つの伝説」作品22─「トゥオネラの白鳥」
ニルセン/クラリネット協奏曲 作品57
アンコール
ニルセン:木管五重奏曲 作品43 より 第2楽章「メヌエット」
ベルワルド/交響曲 第4番 変ホ長調「ナイーヴ」

昨年の来日がキャンセルになったときは、誰もが「もう来日は無理」と思ったことだろう
その時の本人からのメッセージ「来年も来日の予定が決まっており楽しみにしている」は社交辞令に過ぎないと思われた
しかし、ここ数か月ヨーロッパでの旺盛な活動が伝えられ、Eテレのクラシック音楽館で元気そうな映像が流れると、絶対無理という考えにも、ひょっとしたらという期待が混ざってきた
そして、ついに来日が現実のものになった

ステージに楽団員が登場しパラパラと拍手が起こる、最後に登場と思いきや、他の団員に混じって郷古さんに肩を借りてブロムシュテット登場で一挙に拍手が盛り上がる、
マエストロは拍手に応えた後、ゆっくりと指揮台に向かい椅子に腰を下ろす

最初はトゥオネラの白鳥、数十年前にカラヤンでシベリウスを聴き始めたころ、レコードの余白を埋めていたのが、トゥオネラの白鳥と悲しきワルツのコンビだった
最近のコンサートでは、こうした小品を聴く機会が減っているので、嬉しい選曲ではあるが、マエストロは映えない
オケは14型、ゆったりとした演奏が終わり、マエストロはコールアングレに始まり、管楽器、ハープ奏者、辻󠄀本さん、郷古さんを称賛した

マエストロが着座したまま、クラリネット協奏曲用にステージが整備され、伊藤圭さん入場、
リハーサルの模様を伝えるTwitterではなかなかの難曲と言われているのだが、予習しなかった私も悪いのだが、全く退屈な曲だった、
P席では曲の途中で退出者が出る始末、アンコールでは、このクラリネット協奏曲作曲の動機になった木管五重奏曲の一部が演奏されたが、これもピンと来なかった

後半はベルワルドの4番、これが実に活気に満ちた演奏、ブロムシュテットの指揮に緩慢なところは全く見られず溌溂と指揮ぶりが確認できた
オケは14型対向、2楽章3楽章はアタッカで、4楽章のクライマックスではマエストロの腕は時より肩より上がっていた
譜面台には楽譜が置かれていたがマエストロによってめくられることは無かった

大きな拍手に応じた後、マエストロは郷古さんに支えれれて退場、オケも早めにステージをはけた
マエストロを案じる多くの聴衆は、過剰なカーテンコールを自粛していたが、それでも拍手はr続いたので、ブロムシュテットは郷古さんと舞台袖に顔を見せた