5月3日15時 よこすか芸術劇場

指 揮 高関 健
管弦楽 東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

野上真梨子 (第5回コンクール 第1位)
モーツァルト ピアノ協奏曲 第27番 変ロ長調 K.595
小井土文哉 (第6回コンクール 入選)
ラフマニノフ ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 Op.18
若林 顕 (第3回~第6回コンクール 審査委員)
プロコフィエフ ピアノ協奏曲 第2番 ト短調 Op.16
伊藤 恵 (第8回~第9回コンクール 審査委員)
ベートーヴェン ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 Op.73 「皇帝」

小学校高学年の頃に、大木正興さん解説のNHKクラシック音楽番組を観た記憶が断片的に残っている
今でも覚えているのが、中村紘子のチャイコフスキーの1番、リリー・クラウスのモーツァルト20番、そして野島稔の皇帝だ、
野島さんの演奏を聴いて、いい曲だなと思い、ケンプ・ライトナーのミュージック・カセットを買って、良く聴いたものだった
野島さんは2022年に亡くなられ、残念ながら実演には接する機会は無かったが、メモリアル・コンサートが開催されるというので、横須賀まで足を延ばした、

電車の接続が良く、有楽町から1時間強で最寄りの京急汐入に到着したが、掛かった時間以上に遠くに来た感がある
駅前のよこすか芸術劇場に来るのは確か2度目、入り口ではプログラムに加え、野島さんの演奏記録とディスコグラフィが配布されていた
会場は満席とはいかなかった様だが、結構な客入りだ、

最初の27番はモーツァルト最後のピアノ協奏曲だが、野島さんが生前最後に演奏された協奏曲でもあったという
ピアニストは、野島さんの名を冠した、よこすかピアノコンクールの過去の入賞者である野上さん、
初めて聴いたが、表情豊かで瑞々しい演奏だった

2曲目のラフマニノフ2番の小井土さんも、よこすかピアノコンクールの過去の入賞者、
冒頭から力強い打鍵でハッとさせられるが、タッチの強さが完全にコントロールされており、粗い印象は全くない、
高関さんとシティの面々もピアニストに引っ張られてダイナミックな演奏が展開され、観客の心を掴んでいた、小井土さん珍しい名前だが覚えておこう

休憩後は、前半と打って変わって、よこすかピアノコンクールを審査する側の日本を代表するピアニストの登場だ
プロコフィエフ2番は、訃報を受けN響アワーで放映されたように、野島さんの思い入れの強い曲だったそう
配られた協奏曲の演奏記録では7番目の1965年12月から幾度となく演奏されている、
若林さんは勿論名前は存じ上げていたが、実演を聴くのは初めて、正に渾身の演奏だった

最後の皇帝は野島さんを象徴するような曲、数えてはいないが演奏記録ではチャイコフスキーの1番と並んで最も多く演奏されている
伊藤恵さんは貫禄の演奏でコンサートを締めて下さった

はるばる横須賀迄来た甲斐があった、大変充実したコンサートだった
野上さん、小井土さん、若林さん、伊藤さん、高関さん、失礼ながら名前が分からなかったゲストコンミスの方、シティの団員の皆様、お疲れ様、そして有難うございました