5月3日11時45分 東京国際フォーラム 

出演者
マリー=アンジュ・グッチ (ピアノ)

曲目
スクリャービン:ピアノ・ソナタ第5番 op.53
ラフマニノフ:ショパンの主題による変奏曲 op.22
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第6番 イ長調 op.82「戦争ソナタ」
アンコール
ラベル:左手のためのピアノ協奏曲、第1カデンツァ

昨年N響定期で見事なパガ狂を披露したグッチ、その後国内でリサイタルが有ったようなのだが、チケットが取れなかった、
しかし、有り難いことにLFJ2024に参加してくれている、
今回の「近代ロシアの魂」を銘打ったリサイタルの曲は、昨年聴きそこなった王子ホールのリサイタルから、ラヴェル:「鏡」より 海原の小舟を除いただけで、ほぼ同じ演目だ
ということは得意な曲なのであろうと、いやが上にも期待は高まる

1曲目のスクリャービンのピアノ・ソナタ第5番は神秘の世界にどっぷりと浸かる直前の作品で、彼の9曲のピアノソナタのうち個人的には最も高揚感が得られる作品、
グッチの演奏は少し大人し目の印象、後半は駆け上がるようなダイナミックな演奏が聴きたかった、私はスクリャービン好きなので、自然とハードルは上がる、
でもこの一曲だけあれこれ言うのも何なので別のソナタも聴いてみたい

2曲目の変奏曲は初めて聴いたが、パガ狂と同様、変奏曲なので聴きやすく30分ほどの演奏時間があっという間だった、
ラフマニノフはグッチの演奏技術の高さが光るように思われた

3曲目はプロコフィエフの戦争ソナタから6番、
若いころはプロコフィエフのピアノソナタは全く理解できず、全然聴かなかったが、戦争ソナタはこの十数年で聴くようになった、
戦争ソナタは8番が最も聴きやすいが、6番は私にはちょっと手ごわい作品なので、語る資格は無いのだが
でもグッチの確実なテクニックと構成力により培われた演奏で聴くと音楽がすっと入っていくような気がした

昨年のN響定期は初日に聴いたのだがアンコールは無かった、しかし、翌日には何とアンコールが有ったという、
未確認情報だが、どうやら定期初日はFM中継があるから放送時間の関係でアンコールが無かったらしいいのだ、、、マジか

多分その時のアンコールを今日聴けたと思う、伏線回収でも何でもないけど、凄くすっきりした、
しかし、こんな魅力的なプログラムのチケットが完売でないとは何とももったいない話だ