4月13日14時  サントリーホール

指揮:下野竜也

シューベルト:交響曲第3番 ニ長調 D.200
ブルックナー:交響曲第3番 ニ短調 WAB.103(1877年第2稿ノヴァーク版)

現在日本の指揮者で最も信頼を置いている一人の下野さんの登場ということで、楽しみにしていたコンサート
事前のインタビューでは、「数十年前と現在とでは「これまで日フィルとは、いわばマニア向けの演目を組んできました。今回は「普通」にロマン派をと考え…」と述べてますが、
いえいえ私の知る限りでは、マニア向けの演目はN響でも読響でも組んでますし、今日も「普通」とは言えないと思います
そのせいか、今日は客の入りも今一つのような気がした

まず、シューベルトの3番が珍しい、ここ数年聴いた記憶は無い、もしかしたら実演を聴くのは初めてかもしれない
ベームやカラヤンのCDで曲は聴いているが、正直それほど魅力を感じない、
オケは対面で12型くらいの小編成、コンマスは木野さん

後半はオケを16型に増強して、ブルックナー3番だが、ノヴァーク第2というのが珍しい、コーホー先生の時代にはエーザー版と呼んでいた
ブルックナーの版の問題は私が若かった時代、コーホー先生の「モーツァルトとブルックナー」を読んだ時分からあったが、現在は新たに発表された版も加わりますます複雑化している
さらに先日の高関さんのように指揮者が各種の版を読み込んで独自の変更を行ったりするから、もう訳が分からない
3番は、初版、2版、3版とあり、多くの指揮者が3版を演奏するが、今日演奏されるのは2版、
上記インタビューで下野は、「ぼくが第2稿を選ぶのは、これが本人の意思で書いた最後の稿だからです」と述べている
なるほど聴きに行けなかったが、少し前に都響との1番でウィーン稿の採用とも整合する

偉そうに能書きを垂れていながら、実は2版の実演を聴くのは初めてだったので、興味津々だった
結果として、3版とたいして変わらないという印象だが、個人的には2版悪くないと思った
3版を聴くと、1楽章2楽章に比べ、3楽章4楽章のしりすぼみ感が強いのだが、2版のフィナーレにはブルックナーらしい「くどさ」が感じられた
まあ、下野さんの演奏スタイルが自分の好みというのも影響しているのかもしれない、
聴きに行かなかったが先日都響でも大野さんが2版で演奏しているし、これからは2版の演奏も増えるかも
ただし、今日の日フィルは一部アインザッツも揃っておらず、悪い時の日フィルの演奏だった