4月5日19時 サントリーホール

指揮=シルヴァン・カンブルラン
ヴァイオリン=金川真弓

マルティヌー:リディツェへの追悼 H. 296
バルトーク : ヴァイオリン協奏曲第2番 BB 117
メシアン:キリストの昇天

カンブルランらしい尖った選曲、素晴らしいプログラムだ
最初のマルティヌーは、以前同じ読響で下野さんが交響曲3番を振ったのを聴いたのを覚えているが、初めて聴く曲
国内の演奏記録を調べてみると、下野が2017年にN響定期で採り上げている、下野さん恐るべし
ナチスによって壊滅させられた村への哀悼曲で終始暗いムードが漂う、最後近くになって鳴り響く運命の動機はナチスに対する勝利宣言なのだろうか
オケは16型、10分足らずの小品だが、印象に残る作品だった

バルトークのコンチェルトは奏者の力量が問われる作品だと思う、奏者がイマイチだとびっくりするほど退屈な時間を過ごすことになる
しかし安心してください、今日のソリストは金川さん、力強さから、繊細さまで表現力の豊かさは折り紙付き、まさに音色の玉手箱だ
金川さん久々に聴くがやっぱり良かった、カンブルランもノリノリの指揮ぶり、聴衆も大喝采だった、オケは14型

休憩後がメインのキリストの昇天、メシアンについての個人的な印象になるが、以前菊池成孔が採り上げているのを聴いて興味を持ち、オルガン曲全集などを集めてみたのだが、どうもピンと来なかった
鳥のカタログなどは変化があるが、どうもメシアンの宗教に関連した作品は難解に思われる、今回予習でYoutubeを何本は聴いたが、キリストの昇天も難解な曲の1つに思う
しかし、やはり実演で聴くと違う、メシアンはカンブルランが常任時代に良く取り上げられていたようで、そうした読響の経験値が演奏に説得力を持たせているのだろうか
バックグラウンドの知識量が足りず、わたしにとっては未だ難しい曲だが、今回の演奏は心に響き、感銘深いものだった
カンブルランも力のこもった指揮で、聴衆の反応もこの手の作品としては熱いものがあった