2月14日19時 サントリーホール

指揮:パブロ・エラス・カサド
ヴァイオリン:アウグスティン・ハーデリヒ
ソプラノ:吉田珠代*

ラヴェル/スペイン狂詩曲
プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲 第2番 ト短調 作品63
アンコール
カルロス・ガルデル(アウグスティン・ハーデリヒ編):ポル・ウナ・カベーサ(首の差で)
ファリャ/バレエ音楽「三角帽子」(全曲)*

スペイン出身のカサドは2回目の定期、前回がコロナ直前でやはりのサントリー定期であった、
そのときのプログラムは、ロシアものが中心で冬の日の幻想がなかなかの好演だったが、今日はスペイン色の強い曲目で固めてきた
しかし、会場はサントリーのB定期にも関わらず空席が目立つ、
先日のA定期がNHKホールだったにも関わらず、ミッキーの最後の定期で得意のタコを振るということでなかなかの入りだったのに比べ、カサドの知名度が高くなく、集客力が弱かったせいもあるのだろうが、
この2、3年B定期のプロは名曲中心で本当につまらないので、いよいよ会員離れが始まったのかもしれない、
来年度からB定期は曜日が変更になるので、会員離れが更に進む可能性もあるだろう

最初のスペイン狂詩曲が雰囲気の出た良い演奏だったが、吃驚したのがその次、
ハーデリヒ素晴らしい、プロコフィエフのVn協は、私のような素人には難しそうに演奏しているなと聴こえるだけで、ちっとも愉しくないことが多いのだが、
ハーデリヒは曲を深く理解し、解剖図を示すように難解な曲を明快に提示する、こういう演奏にはなかなか出会えない
今週末のリサイタルは既に完売なようなので、次の機会を待ちたい

そして休憩後のカサドの三角帽子が素晴らしかった、N響のスペイン音楽担当はカサドで決まりだ
尤も、今回面白く聴けたのは2年弱前にシティフィルのティアラ定期で藤岡さんが三角帽子をストーリー進行のナレーション付きで演奏してくれたおかげでストーリーや楽器の役割についての知識が有ったことが大きい
演奏は本当にノリノリで今日は管楽器が完璧に近い演奏だった、少し残念だったのが吉田さん、もう少し歌う位置を考えないと2階席まで届かなかったのではなかろうか
ともあれ、大満足の演奏会だった