2月9日19時 サントリーホール

指揮=山田和樹
尺八=藤原道山
琵琶=友吉鶴心

バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 BB 114
武満徹:ノヴェンバー・ステップス
ベートーヴェン:交響曲第2番 ニ長調 作品36

山和の首席客演指揮者としての最後のコンサート、
年間のプログラムが発表になったとき、山和にしては大人しい選曲だなという印象だったが、
読響HP掲載の聴きどころで、それぞれの曲に思い入れがあるのが分かった

最初の弦チェレは指揮台正面にピアノ、チェレスタ、その左右にハープが配され、弦楽器も対称に配置されているそうだ
バルトークは好きで、この曲も好きになりたいのだが、なかなか共感できない
山和は数学フェチで「フレージングがフィボナッチ数列で書いてあり」などと解説している
フィボナッチ数列のことは頭では理解しているが、フレージングからフィボナッチ数列を感じるのはすごい感性だと思う

休憩後、オケの入場に続いて山和がマイクを持って入場、「悲しいお知らせがあります、小澤征爾さんが亡くなったそうです」と告げ、会場は驚きに包まれた
これから、ノヴェンバー・ステップスが演奏されようというタイミングに、何ということだ
さらに続けて演奏するベートーベンの2番も、小澤さんがNYPを振ってノヴェンバー・ステップスを初演した際に一緒に演奏した曲である
山和は、最後に、黙祷などは行わず、これからの演奏を小澤さんに捧げたいと言った

ヴェンバー・ステップスは今まで聴いた中で最も緊張に包まれた演奏になった、尺八の息づかい、琵琶のバチ捌きの迫力は凄まじいものだった、
おそらくこの演奏は、読響アワーでも放映されるだろうから、この演奏は多くの人に視聴して欲しいと思った
最後に尺八と琵琶の奏者が手の動きを緩めても、山和が完全にタクトを下すまでの数十秒、ホールは静まりかえり、期せずして黙とうの時間となった

ベートーベン2番も気迫の演奏、
弦楽器は1stVn左右に8人ずつ、Cbも4人ずつのような左右対称の16型だが、2で割って奇数になる場合はVcは右が4人左が6人のようにしていたようだ
そして管楽器は倍管、FlやObが4人ずつのベートーベン2番なんとこの先2度と聴くことはないだろうな
山和は指揮台の上で飛び上がりまくり、芸大2年生の時の試験曲で青春の思い出が詰まった作品なんだそうだ

今日は忘れられない演奏会になった