1月27日14時  芸劇

指揮:飯森範親
ピアノ:小菅優*

西村朗:カラヴィンカ *ピアノ独奏
西村朗:ピアノとオーケストラのための《神秘的合一》(2023年度 パシフィックフィルハーモニア東京 委嘱作品 / 遺作 )*
ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調(ノヴァーク版・一部ハース版)

西村さんの遺作が演奏されるということで、久しぶりのパシフィックフィル
もしかしたら東京ニューシティからパシフィックフィルに改名してからは初めてかもしれない
西村さんはN響の番組の司会を池辺さんから引き継いだ時期はTVで良く拝見していたのだが、昨年夏は突然の訃報だった

開演前に飯森さんがステージに現れ、今回の経緯について以下のような説明があった、
飯森さんは西村作品を多く初演するなど親交が深く、今回も新作ピアノ協奏曲を委嘱した
しかし、7月に完成できたのは2楽章を送られるとともに、病気のためこれ以上の作曲は難しいこと言われ、
その後、8/10に送られた2楽章を演奏することなどを電話で話したのが最後になった
今日は2楽章だけでは短いので、西村さんが以前に小菅さんのザルツブルグデビュー時にプレゼントした曲を最初に演奏する
カラヴィンカ仏教の極楽浄土に住む鳥のことだという
後半に演奏するブルックナーは西村さんが好きな作曲家で聖フロリアンには西村さん自身何度も足を運んでいる
本日はブルックナーの2楽章は西村さんのことを思って演奏する

カラヴィンカは見栄え、聴き映えのする曲で、何となくメシアン的な雰囲気の曲、小菅さんも渾身の演奏だったろう
ピアノ協奏曲は、後方にマリンバ、グロッケン、などの打楽器が並んでおり、アップテンポな曲調であった
演奏時間は10分程度か、小菅さんのカデンツも入り、なかなかの聴きごたえのある作品であった
西村さんは1, 3楽章は緩徐楽章とする予定だったという

後半の7番、Cbが6台いるので14型かと思ったが、何かオケが小さい、数えてみると弦5部は、12, 10, 8, 8, 6の構成
そういえば昨年夏にブルックナー9番完成版をPMFで聴いたが、その時のオケも12型相当と小さめだった
木管は2本ずつ、ホルンは5、ワーグナーチューバは4、トランペット4、トロンボーン3、チューバ1、ティンパニと、こちらはがっしりとした構成

特に期待していなかったのだが、ブルックナーすごく良い演奏だった
飯森さんは私が好きな自然体の演奏、PMFと同様弦は良くい鳴っており、管楽器も安定している
2楽章のクライマックスは、シンバルもトライアングルも無し、ティンパニも叩かず、こちらの方が圧倒的に良いではないか

久々に来たが本当に良い演奏だった、しかし空席が目立ち、集客の点では苦戦しているようだ
他の演奏会と日程がぶつかることが多いので、なかなか来れないかもしれないが
今後、出来るだけ応援したい