1月26日17時  サントリーホール

指揮:カーチュン・ウォン[首席指揮者]
ピアノ:児玉麻里*
ピアノ:児玉桃*

チナリー・ウン:グランド・スパイラル[日本初演]
プーランク:2台のピアノのための協奏曲 ニ短調*
コリン・マクフィー:タブー・タブーアン*
ドビュッシー:交響詩《海》

ウォンが首席指揮者に就任して日フィル定期のプログラムの多様性は格段に上がった、
今日のガムランをテーマにしたプログラムも素晴らしい
しかしポピュラリティには欠ける、そのせいか客入りは今一つである

1曲目のスパイラルは12,3分の小品、チナリー・ウンは現在はアメリカ在住のカンボジア出身の作曲家だそうだ、
何だか色々な打楽器が最後列に並んでいる、決して鳴りすぎずに、大きな盛り上がりも無く曲は閉じて行った

2曲目に2台のピアノが入る舞台転換に間に、ウォンが通訳を伴い楽曲解説を行う、
彼の献身的な姿勢には感心するしかない、
プーランクの2台の協奏曲は実演で聴くのは初めて、ラベルの影響が感じられる作品で、時々オリエンタルで、時々Jazzっぽかったりする
児玉姉妹は初めて聴く、多分左の赤いドレスがが麻里さん、右の白いドレスが桃さんか
以前にシティの定期でヴォーン・ウィリアムズ:2台のピアノのための協奏曲を聴いた時、2台とも反響板が外されていて、ピアノの音が聞こえずらかったことが有った
反響板は大事なんだなあと思ったのだが、、、
本日も2台とも反響板は外されていたが、音は良き聴こえた、まあ人に依るのかな、

休憩後のコリン・マクフィーはやはり2台のピアノとオーケストラの曲なのだが、ホワイエから席に戻って吃驚、ピアノの向きが変わっている
プーランクでは2台のピアノは対面して配置されていたのだが、それぞれ90度回転している
つまり、2台のピアノはそれぞれ指揮者に対面するように並列に配置されているのだ
そしてそして、登場した(多分)麻里さんは、黒いドレスに着替えていたのであったのだ、桃さんが白いドレスのままであったにも関わらず、
肝心の演奏だが、作曲者のマクフィーが実際にバリに居を移すまでにガムランの旋律に傾倒したこともあってか、
本日の中では一番ガムラン色が強い曲と感じられた

2台のピアノを動かす間に再度ウォンが通訳を伴い登場、北斎の話に止まず、海を撮る写真家の友人の話などリップサービスが止まらない
そういえば暗譜主義のウォンにしてもこれまでの3曲はスコアを置いての指揮だったが、海はもちろんスコアを置かずに
ここのところ、沖澤、ソヒエフで素晴らしいフランス音楽を聴いてきたが、今日の海も本当に良かった、
1つだけ挙げれば、ウォンがそれぞれの楽器を鳴らすバランスが良いのに感心した