12月4日19時 サントリーホール

出演
ピアノ:クリスチャン・ツィメルマン

曲目
ショパン:
   ノクターン第2番 変ホ長調 Op. 9-2
   ノクターン第5番 嬰へ長調 Op. 15-2
   ノクターン第16番 変ホ長調 Op. 55-2
   ノクターン第18番 ホ長調 Op. 62-2
   ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 「葬送」 Op. 35
ドビュッシー:版画
シマノフスキ:ポーランド民謡の主題による変奏曲 Op. 10
アンコール
ラフマニノフ:前奏曲集より第4番 ニ長調 作品23-4

ツィメルマン2年ぶりの来日、何歳かと思って調べたら、何と1956年12月5日が誕生日、つまり今日が66歳最後の日だったことになる
今回のリサイタルはチケット発売後に演奏曲目が発表された、それでもチケットが売れるのは日本でのツィメルマン人気の高さ故だろう
前回のリサイタルではショパンのソナタ3番が演奏されたが今回は2番が演奏される、後はシマノフスキ―の変奏曲が目を惹く

ステージに登場したツィメルマンは髪は真っ白で老いを感じさせたが、一旦鍵盤に向かうと、それだけで聴衆を引き込むオーラを放つのであった
まず、定番の2番ではゆったりとした演奏が披露され、さらに3曲のノクターンがセレクトされた、
ショパンコンクールの覇者であるツィメルマンだが、コンチェルト以外の録音は少なくノクターンも録音していないので、今日なぜノクターンを採り上げたのか訊きたい所だ
ソナタ2番は第1楽章が実にスケールの大きいドラマティックな演奏、その分2楽章はあっさり目に感じた、
そしてゆっくりと葬送行進曲、今日のツィメルマンは休符もしっかりととる、付け足しのような4楽章が今日は自然な流れに聞こえた

後半はドビュッシーから、ツィメルマンの版画は初めて聴くが、やはり絶品だった
しかし、隣の方が妙に鼻息が荒く途中から我慢できなくなって、有名な号泣市議が会見で見せたように、手を耳にあてがう傾聴ポーズで隣からの音をガードした
シマノフスキ―は初めて聴いたが、中間に葬送行進曲的な変奏があり、最後の第10変奏で大きく盛り上がる大作だったが、
後半はずっと傾聴ポーズをとっていたので、とにかく疲れた

カーテンコールでツィメルマンはなかなかピアノに近づかないで引き返すので、今日はアンコールは無いのかと思ったが、最後は観念したのか素敵なラフマニノフを披露した
そういえば、今日ツィメルマンは楽譜を置いての演奏だった、以前からそうだったろうか。それとも寄る年波?