5月10日19時  オペラシティ

指揮:高関 健(常任指揮者)
ヴァイオリン:山根 一仁

曲目
ブリテン:シンフォニア・ダ・レクイエム 作品20
ベルク:ヴァイオリン協奏曲
アンコール
バッハ:無伴奏バイオリンパルティータ第3曲
オネゲル:交響曲第3番 「典礼風」

シティフィルの今季定期演奏会の開幕
平日夜ということで職場からノ直行になるが、オペラシティへの到着時間の要諦となるのが新宿3丁目での新京成への乗り換え時の待ち時間だ、
乗り合わせが悪いと10分近く待つのだが、今日はいいタイミングで乗り換えられ、プレトークにも悠々間に合った

プレトーク開始時の会場、とにかく入りが悪い、高関さんも「平日でこのプログラムだから人が少ないのかな」という自虐でトークを開始していた
しかし、昨シーズンの定期の最終公演の曲が「レニングラード」になったのは偶然だが、今回の曲目は紛争後に決めたもので、客入りの悪さもある程度覚悟していたとも語っていた
でも、先日の飯守ブルックナーの特別演奏会の集客も今一つだったし、要らぬ心配ながら、ヤキモキさせられる
何せ次回の定期もメインが吉松だし、次々回もメインがスクリャービンだからな、個人的には歓迎だけど

プレトークに話を戻すと、高関さんの場合は事前にHPに上がる解説動画に沿った内容になるのだが、それ以外だと、
ブリテンがベルクを敬愛していてウィーンに勉強に行った際にベルクに教えを受けることを希望していたが親の反対もあって実現しなかった、しかし今回採り上げる両曲ともアルトサックスが印象的な旋律を奏でるという共通点があるという話が印象に残っているくらいか
オネゲルの3番は高関さんが師事していたカラヤンの少ない現代曲のレパートリであったことから、カラヤンがこの曲へのエピソードも期待したのだが、そういった話は出なかった

結局、会場は空席が目立ったが、細かい論評は省略するが、演奏は気迫に素晴らしいものだった
今回ベルクをリクエストした山根さん、前にもどこかで聴いていると思うのだが特に印象になかったけれど、今日の演奏は作品への共感に満ちた素晴らしいものだった
私は2楽章の最終盤でソリストにコンマスが同調し次第にVnが加わり第1Vn全体がコラールを奏でるが、段々奏者が減り、最後にはソリスト一人に戻る部分を聴くと、結局人は独りで死ぬことを音楽で具現化されているような気がする
今日の戸澤さんとシティの弦楽セクションの演奏も一体となった演奏で心を震わされた