4月29日14時  サントリーホール

指揮:ピエタリ・インキネン[首席指揮者]
ソプラノ:ヨハンナ・ルサネン
バリトン:ヴィッレ・ルサネン
男声合唱:ヘルシンキ大学男声合唱団、東京音楽大学

シベリウス:《クレルヴォ交響曲》 op.7


この3年あまり、コロナの影響などでインキネンは首席指揮者でありながら日フィルの指揮台に立つ機会が非常に少なかった
私も本当に久しぶりに聴くが、これが首席指揮者としての最終公演になるという、巡りあわせとはいえ切ない気持ちにさせられる

在京のオケの中で、日フィルは俊英カーチュン・ウォンを新しい首席指揮者に迎えるが、ロシアのウクライナ侵攻の影響でラザレフのキャンセルが続くなど、未だに日常を取り戻せないでいるように思える
そんな中で、今回のコンサートが無事開催されたのは喜ばしい
クレルヴォを聴くのは3回目、最初に聴いたのは40年以上前なので、東文で日本のオケ、歌手も日本人だったことしか覚えていないが、2回目のN響パーヴォの演奏は無機的な演奏に感じた
それに比べ、今回はインキネン自身にとっても思入れのある曲ということで、日本の聴衆に対する最後のメッセージも込められた演奏になったと思う

前半の器楽だけのパートも良かったが、後半の合唱と歌手(独唱の2人は姉弟だそう)は、この曲を歌い込んでいる感があり素晴らしかった
演奏後に花束贈呈があり、ソロカーテンコールもあったが、来年の定期のラインナップにインキネンの名は無い、このまま日フィルとは疎遠になってしまうのだろうか