2022年3月24日(木) 19:00 紀尾井ーホール
出演者
河村尚子(Pf)
曲目
フランツ・シューベルト
即興曲 第3番 変ロ長調 遺作 D935
ピアノ・ソナタ 第18番 ト長調 「幻想」 D894
* * *
「3つの小品」より 第1番 変ホ短調 D946
ピアノ・ソナタ 第19番 ハ短調 D958
アンコール
シューベルト:即興曲 第2番 変イ長調 遺作 D935
シューベルト/リスト:糸を紡ぐグレートヒェンS558-8
J.S.バッハ/ペトリ:羊は安らかに草を食みBWV.208-9
シューベルトのソナタ、特に幻想が好きなのだが、いずれ聴く機会があると思っているうちに、日々は流れ、
ここ2、3年気を付けて探していたのだが、なかなか巡り合えず、ようやく見つけた演奏会
河村さんを聴くのは初めてだが、ネットで見ると多方面で活躍されているようです
最初の即興曲、素晴らしい演奏だ、
確かな、しかし柔らかなタッチと美しい分散和音が、シューベルトの自由な楽想と歌謡性を見事に表している
そして幻想、早めのテンポで弾き始められたが、正直違和感を感じてしまった
これまで、愛聴してきたブレンデルやルプー盤がゆったりと開始するので、耳がそれに慣れてしまっているのだ
2楽章も私には少しテンポが速く感じられた、演奏は申し分ないと思うのだが、こればっかりは仕方ない
3,4楽章はテンポの違和感を殆ど感じずに演奏を堪能することができた
後半最初の「3つの小品」よりは、初めて聴く曲だが、短いながらも劇的な構成、
そして19番はアタッカで演奏された
19番は全体の3/4がアレグロ楽章だからなのか、テンポの違和感なく全曲を楽しめた、
前半はあまり表情は見ていなかったが、河村さんは実に楽しそうに弾いている
そこから紡ぎだされる音は滑らかで、心地よく、これが豊かな音色なのだなと得心
終演後、当然のことながら会場は大いに沸き、河村さんもそれに応えアンコールを3曲も披露してくれた、
日本人の優れたシューベルト弾きを発見できて有意義な一夜だった、
20、21番が演奏される第2夜には、万難を排して馳せ参じねばなるまい
