3月8日〈火〉 19時 サントリー
指揮=山田和樹
ヴァイオリン=小林美樹
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35
武満徹:めぐり逢い(ヴァイオリン・アンコール)
諸井三郎:交響曲第3番
読響の2021年度定期の千秋楽
結局、2021年度読響定期は、一回も予定通りの演目、演者で開催されることは無かった
今回も当初の予定では、コルンゴルトの代わりに、ヴァイオリニストにシモーネ・ラムスマを迎えて、ファン・デル・アー:ヴァイオリン協奏曲(日本初演)の予定であった
しかし、この程度の変更は、抵抗なく受け容れられるようになったのは、性格が寛容になったのか、それとも神経が麻痺して仕舞ったのか
会場は空席が目立ったが、オケは16型ではないか、これは期待できそう
牧神は演奏頻度が高い曲だが、とても柔らかい演奏だった、管楽器の出来も申し分なく、いい演奏
コルンゴルトは映画音楽とか作っていることもあり、現代作曲家の中では抜群に聞きやすい曲、
メロディが親しみやすく、聴いていて飽きさせられず、弾いている小林さんも何か楽しそうだ
アンコールでは、山カズが急にチェレスタを弾き始めたので何かと思ったが、幻想的なふわふわした曲、
後で武満作品と知って小さな驚き、こういう小洒落たアンコールは嬉しい
さて、休憩後は再び16型に戻っていよいよ諸井三郎だ
何やら前半空席だった部分に幾つか埋まっている、諸井目当てなのだろうか
諸井作品は全く聞いたことがないが、解説によるとブルックナー、マーラー寄りの作品らしい
1楽章、闇の中をうねる様に進んでいく、自分の印象ではフルトベングラーの交響曲のイメージが近いと思った
2楽章は太鼓の独特なリズムで始まる不思議な雰囲気の間奏曲、
3楽章はオルガンも加わり、再び救いのない、しかし荘厳な世界に誘われる
こういう曲嫌いでない、また聞いてみたいし、別の作品も聴いてみたい
少ない聴衆であったが、その多くは熱心に拍手を送り、ソロアンコールで山カズを讃えた
