『昔はまぐろ食(くい)たるを、人に物語するにも耳に寄せてひそかに咄(はなし)たるに、今は歴々の御料理に出るもおかし』
1810年、飛鳥川 江戸雀 (日本随筆大成) 

江戸時代の魚介類の格付け「黒白精味集」1746年
●下賎な魚
マグロ、フグ、カニ、ブリ、シマアジ、イワシ、カド(ニシン)、クジラ、コノシロ、サバ、サメ、ドジョウ、ハゼ、ムツ

マグロ(赤身)は天保年間(1830~44)前から食されるようになったといい、安政年間(1854~60)、寿司屋がマグロの赤身を醤油に漬ける「ズケ」を考案、それを寿司ネタにしたら人気を得て広まったといいます。また「葱鮪(ねぎま)鍋も江戸庶民が好んだ鍋料理。

●上な魚
アカガイ、アマダイ、アユ、アワビ、アンコウ、イセエビ、カキ、カレイ、キス、クルマエビ、コイ、サケ、サヨリ、サワラ、シジミ、シラウオ、スズキ、タイ、タラ、フナ、マス

●中な魚
アイナメ、アサリ、アジ、アラ、イカ 、イシモチ、ウナギ、カツオ、サザエ、タコ、タニシ、ナマリ、ハマグリ、ヒラメ、ボラ


画像 : 江戸名所図会【日本橋魚市】
左上には川に浮かぶ押送船や水揚げ場が描かれている。右手前の黒い魚がマグロ。その横にはサメが売られている。