『サラバ!』(小学館文庫)
著者:西 加奈子
この作品の文庫版は、上中下の3巻に分かれています。
まずは上の感想。
本書は主人公、歩の幼少期から少年の頃までのことが描かれていた。
少年ながらに、考えに考えて、卑屈な笑みを浮かべたり、無邪気な子どもを演じたり、何か見ていられないような気持ちにもなった。
それは家族が影響してるようにも思う。
『人間失格』を思わせる。
ただ、歩はそれなりに楽しむことは楽しんでいた。
特にヤコブのことは本当に好きなんだろう。
ヤコブが登場して以来、怒濤のように「ヤコブ」の連発だった。
その存在は彼にどんな影響を与えたのか。
これからの展開が気になる。
続いて中巻の感想。
上巻よりもページ数が少ないわりに、ボリュームたっぷりな印象。
小学生だった歩が中学、高校、大学、社会人と、
どんどん世界が広がって、様々な人がちょっとずつ出てくるので、
何が印象的だったかもあまり覚えていない。
印象的な言葉があった気がしてるのだけど、それを探し出せない。
この巻の最後にはまた「家族」という狭いコミュニティに焦点が戻った感じ。
続きが気になる。
そして下巻の感想。
下巻は少し苦しかった。
あの環境で育ったら、ああいう性格になるって。
上より中、中より下と、スピーディーに読めたと思うが、下の最後の方は少し時間がかかった。
結論の部分が複雑でありながらも、見落とさないように用心しながら読んだからだと思う。
自分は、信じるものを見つけていないな。
ヤコブのような人にも会いたい。
ちょっと気になったのは解説の又吉さんの職業。
「作家・芸人」と書かれていたこと。単に五十音順で「作家」を先に書いたのか、本に載せているからそうなのか。
あくまで芸人で、面白いことを言う人であってほしいと思った。
こうやって見てみると、
上巻の感想と下巻の感想が若干似ている。
つまり、話が初めからだんだんと広がっていって、
最終的に視点が始まりの方に戻ったような感じなのかな。
それでも最後は前に進んでいるので、
ただ戻ったってわけじゃない。
この本は長くて、
3巻も続いているものを読み切れるか不安で、
いろいろとレビューを見て、
低い方のレビューを見たら余計に不安になって、
それでもこの作品に対して興味があって、
気持ちに正直に手を出してみたという感じでした。
不安に思っていたほどではなく、
面白くて、短期間で読み終わることができました。
このボリュームを読み切ったというのも自身になり、
上下巻のある別の本を買ってしまったくらいです。
とりあえずよかった。
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サラバ! (上) (小学館文庫)
680円
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サラバ! (中) (小学館文庫)
670円
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サラバ! (下) (小学館文庫)
659円
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