『消滅』(幻冬舎文庫)
著者:恩田 陸
この本は上下巻に分かれています。
まずは上の感想。
舞台は現実的なのにSFチックな要素が混ざってて、
それでもって謎解き系のような要素がある本。
面白い。
登場人物が多く、それぞれの視点から書かれていて、
始まったときは若干めんどくさく思った。
しかし読み進めていると、だんだん分かってくるし、纏まってくる。
何となく、この人の書く文章は無感情に感じることがあるなぁと思った。
それが悪いでも良いでもなく、そんな特徴を感じることがある。
表紙の色合いと幾何学的な模様が、近未来的で無感情で、本書の内容に合ってるなぁと思った。下巻が気になる。
そして下巻の感想です。
多少ネタバレが含まれるかもしれません。
結論に至るまでと、それからの印象がまるで違った。
推理系の物語と思って、意外な人物がテロリストだったかと感心させられる時がくるのを期待しながら読んだ。
でもそれに関しては気持ちよくなかった。
意外じゃない人物だったところが意外で、あっけにとられた。
しかし最後は、別の話のように感じた。
言葉の壁を壊そうとする、少し想像を超えた域の話。
その点では文庫をうまく上下巻に分けたなとも思う。
筆者は理数系は苦手だと言っているが、想像力も駆使してよくこんな物語が書けたなと思った。
はちゃめちゃの様でいて、そうじゃないんじゃないか。