実はずっと前(初日明けて1週間ほど)で見に言ってたのですが、
なんせバタバタしてたので記憶の彼方に行ってしまったのよ
なので、観劇禄代わりにごくごく簡単にひとことふたとこ感想をば。
お芝居は正直…全然期待していなかったんですが(笑)
サイトー先生のショー作品は中毒性があって好きですが、オリジナル芝居は
サイトー先生の趣味に走りすぎというか(まぁショーでもなんですが)
映像はやたら凝っていて楽しいのでそれは楽しみだなーなんて思って望んでみたら…
意外にも話自体面白く、最後はしんみり(もちろん突っ込みどころはあれど)
特に今回は東西分裂後のドイツ。ともすれば暗くなりがちな題材を
(どうしても『国境のない地図』を思い出し)時にはくすっと(主におだちんw)笑いながら、
でも行き過ぎた笑いでもなく。体制や立場、同じドイツ人、そして同じ国であっても
考え方によってどれほど違うのか、東西ドイツ体制からベルリンの壁崩壊までを
テンポよく描いてくれています。
主人公のヨナス、年齢いくつよって突っ込みは置いておいて、母親はナチで(仕方なくだが)
社会主義者だけど脱出請負人の軍人って、あらゆる属性盛り込みすぎではって感じですが(笑)
その割にはヨナスは器用そうでないところが月城君にピッタリだなとw
海ちゃんがラスト壁の上に出てて撃たれないか冷や冷やしたけどそんなことはなく。
最後は母親との再会に予定調和ではありますが、いいじゃない宝塚らしくて。
全てがハッピーエンド、、、の裏で最後まで国に忠実だったちなつさん。
彼の考え方や生き方が悪いわけでなく、彼は彼なりの正義に尽くしたわけで。
どれが正義でどれが正しいというのはわかりませんが(今のロシアの在り方を見るに
正直社会主義がいいとは思えませんけど)彼なりの生きざまにはよくよく考えさせられました。
そして、なによりあのメンバー皆の冷たい目線が素敵すぎて
余談ですがプログラムで参考作品として『国境のエミーリャ』があげられてて、
演出家先生って本当に色んな所にアンテナを張っていらっしゃるんだなと。
こちらは架空の日本(東西が分断されてしまった)を舞台に脱出請負人が主人公ですが、
お芝居よりはシリアス気味。少し癖のある絵柄で忌避されそうですが
話自身はとても面白いので、『フリューゲル』が面白く感じらた方は是非に!
ショーは栗田先生の大劇場お披露目にして初のショー作品。ショーとしての
形式を保ちつつ、万華鏡の精から見る江戸から令和へと移ろいゆく東京の景色を
魅せるという芝居力に定評のある月組ならではの作品に仕上がっています。
多分皆さん同じかなと思いますが、この作品で特に惹きつけられたシーンは
プロローグに地獄変、そしてカラス。(カラスというとどうしても星組の『ボレロ』で
「俺たちゃカラス🎵」と歌ってた組子を思い出す)地獄変は栗田先生のお披露目でもある
『夢千鳥』を彷彿としますね。いっそ普通に地獄変が観てみたいかも。
主人公は芥川龍之介にして(それって本当にただの『夢千鳥』)
カラスはこれまでの月城君にはない魅力が開花されてるんじゃないでしょうか?
黒いリップも良くお似合い(黒じゃないときもあるらしいけれど黒がいいなぁ)
プロローグは普通に期待と不安に入り混じった気持ちで臨んだ心を
一気に『万華鏡』の世界に誘ってくれますここの二人も本当に美しく。
ただ、、、一つ言えばせっかくの『万華鏡』という題材、確かに様々に移り行く
東京の景色は見せてくれてはいますが、もう少し“万華鏡”にスポットを当てるというか、
万華鏡というアイテムをうまくショー全体で通しで使ってほしかったかなとも。
あと、初見は少しおいていかれますねするめ作品っぽいので何度も観てみたかった。
明日はいよいよ大劇千秋楽ですね!どうしても予定があるので
観ることは叶わず・・・(雪組先行も参加できない面白そうだったのにー)
退団者の皆様にとって最高に輝ける1日となりますよう願ってやみません。
ムラ千秋楽おめでとうございます大千秋楽は観れる・・・はず。