東京初日の幕ももう間もなく開きますね。今回は、1階席と久しぶりに2階席
かなりの後方から楽しませてもらいました。特にショーは動きが多かった分、
2階後方から見るとフォーメーションが凄く綺麗に見えて、月組団体芸を堪能!
お芝居は少し照明が暗めだったので、前からの方が楽しめましたが、
最初の道真飛び降りシーンを観れただけでも
正面から見たら気が付かないセット転換とかも楽しめてよかったです。
ということで、観劇からだいぶ経ってしまったので簡単に感想を。
まずはお芝居『応天の門』脚本について。灰原 薬さん原作の漫画16巻まで
出ている所、1巻~7巻あたりまでを1時間半にまとめています。
多美子入内をメインに、登場人物の紹介や登場シーンはほぼすっ飛ばし
(ある意味潔い)、様々なエピソードを寄せ集めて作っております。
(他の人のエピが宝塚verでは主要キャストに割り振られてたり)
原作自体もそもそも史実を基にはしているものの、ほぼほぼオリジナルな
話ですから、その辺は上手いこと作り替えることはできますね。
原作をご覧になられた方は分かると思いますが、道真は今の所恋沙汰より
勉学欲や唐へのあこがれの想いの方が強く(一応婚約者はいますが)
相手役になるような人物がいません。それを宝塚verでは昭姫が娘役トップが
演じることになって、少しは恋愛模様があったりするのか??
と思いきや、これまた潔いくらいありませんでしたね(笑)
さらに言えば、昭姫の方も相手役になる人がいませんでした。
どちらも相手がいないってのは、大劇ではかなり珍しいのではないでしょうか。
その代わりと言ってはですが、業平、高子が色恋担当をしてくれています。
全体的にサスペンスな雰囲気が漂うなか、二人の世界だけ『花の業平』でしたね!
ただ、その分業平が『応天の門』の業平というより宝塚の業平っぽくて
話の中で少し浮いている感も。しどころのない役になっているというか。
個人的には原作の少し武張った業平が好きなので、少し描かれ方は残念。
登場人物は割と多め。ただ、結局話を進めるのは道真付近と藤原基経、常行あたり。
長谷雄や白梅もにぎやかし要員(まぁ長谷雄は原作でもそうだけどw)
公達は名前があっても違いがなく、これほどの人数で作品を動かすのは難しいか。
今回最後になるるうさんも渋い演技を見せてくれてたものの、もっと癖のある
「これぞ、るうさん以外演じられないわ!」というところを観たかったかも。
からん君は最後に子役?とも思いましたが、しっかりと“幼い帝”を
演じきってくれて、これぞ元(笑)子役役者の冥利に尽きる役でしたね。
他、かれんちゃんやゆうこちゃんも、出番は少ないながらインパクト大でした。
最後は「俺たちの戦いはこれからだ!」的な終わり方で、まだまだ続きも
書けそうな(笑)ただ、一応の話は区切りがついているので、そんなモヤが残る
終わり方ではないですね。藤原基経ともっとビシビシぶつかるところが
観たかったといえばそうですが、そもそも原作自体道真と今の所深く関わっては
居ませんし、実在人物である以上変な描き方はできませんからね。
もう少しストーリーに緩急が欲しかったですが、割と原作の世界観に忠実で、
初見時など「次はどうなる!?」とワクワクも、ちょっとしたやりとりに
「あったあったこのセリフ!」ともなったりと、総じて楽しめました
続く