月組大劇『桜嵐記』『Dream Chaser』感想② | ★F**kin' Perfect★

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徒然なるままに、つらつらと。。。

①の続き右矢印

 

 

脚本について。史実を基に若くして散った楠木正行の葛藤と悲恋と終った

弁内侍との恋、四条畷に散った武士としての生きざまを描く。

というと悲劇性が強いのかと思いきや、前半はコミカルな面を見せ(特に三男w)

圧倒的不利な立場にいるにも関わらずどこか楠木郎党は明るさを忘れてはいない。

 

それは滅びの美学とかではなく、最後まで好いたもののために生きようとしているから。

好いた女子のため、守るために別れた妻のため、何だかんだで好きな家族のため。

家名のため、父の遺志を継ぐため。楠木家がそんなもののために

戦っていないのは正儀の言動からもわかります。

(兄は少しは葛藤しましたが「じゃからしい!」と周りも己も一喝)

 

最期は悲劇となってしまいましたし、もとより武士であるから死は覚悟していたことでしょう。

でも死ぬために戦うわけじゃなく、勝つために、大切なものを守るために戦う。

最後の最後まで生き抜いて、結果として死がある。そんな生き方だったように思います。

(実は史実の正行も最後まで勝つつもりだったといわれています)

 

父親も現実主義である意味当時の武士らしくないですが

(だから南朝についたのがずっと疑問視されている)

その考えは3兄弟にも引き継がれ。妻を大事にする正時に、機を見るのが得意な正儀。

もう二人がかっこいいくせにかわいくてかわいくて(笑)

月城くん、本当にこんなキャラの演技がうまくなりましたね

(そしてある意味これが見納めかも・・・トップになるとなかなか回ってこない役どころでしょうし)

 

ちな様の戦場で百合の死を知らされてからのたまき君に抱かれ

最期を迎える一連の流れは一番涙し。だって横たわる横顔が美しすぎるラブラブ(そこ?)

本当に悲しくて楽しかったイノシシをさばいてた頃に戻りたくなります(笑)

 

あり君の帝らしい鷹揚な部分と父帝、友の間で苦悩する部分がちょうど持ち味に合っていましたし、

さくらちゃんも『IAFA』『ピガール』と彼女の持ち味にピッタリなのが続いていましたが、

最後に挑戦となったお役だったんではないでしょうか。

弁内侍の頑なだった心がどんどんと柔らかくなっていく芝居もとても細やかでした。

 

他にもまゆぽんパパやからん君従者とお馴染みなお二人の安定感は

芝居をところどころ締めて下さいますし、少しの出番ながらインパクトを残したルネ君、

親子の芝居がよかったからこそ変わり身が寂しいぐっさん、貫禄たっぷりで

まわりの稚児たちもかわいかったおだちん(ここのかれんちゃんかわいかったぁチョキ

 

目が足りないと感じるのは、それぞれのキャストが流れとしてしっかり描かれ

作品の中で生きているからこそ。これだけの人数を生かせるのは流石ですね。

(もちろんキャストがさらにバックボーンまで深堀して演じてくれてるからこそですが)

 

忘れてはならない後醍醐天皇と高師直の怪演っぷり叫び

後醍醐は悪人ではないけれど帝位に妄執を抱き。死してなお南朝を動かすのが怖いえーん

(そして何気バタって倒れた後ガバッって立ち上がるのがお年を考えるとすごいアセアセ

 

あんなにロイヤルだったゆりや君が、、、こんな荒々しい中年に(笑)

正直専科生きは疑問だったんですが、こんなお役がこなせるようになったんですね!

本当にどっからどうみてもゆり君の面影がないんですが、湯殿のシーンは下品に

なりがちなところを宝塚的に絵になるのはのはゆりや君のなせる業ですね!

もうどこに出しても大丈夫!(何目線w)決まった以上、他の組での活躍も楽しみですアップ

 

高師直は悪人ですが、ある意味一番人間らしい。彼の行動が一番理解できます。

出てくるだけで場面が一気に緊張感が増える。本当今回影の立役者はゆりや君ですね!

(公演がこんなにも進んでなお高師直というかゆりや君に驚きの声があることからも)

 

 

続く右矢印