花組大劇『アウグストゥス』『Cool Beast!!』感想① | ★F**kin' Perfect★

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徒然なるままに、つらつらと。。。

観劇から少し経ってしまいましたが花組感想です。

 

観劇時からすでに状況が厳しい時で、自分も素直に楽しめるかなと心配を。

今ではライブ配信も充実し、観劇は見合わせて家でおとなしく見た方がいいのかともダウン

 

でも、道すがらの電車、花のみち、そして劇場。もちろん生と映像の違いの差自体

大きいですが、この観劇に向かうわくわくとした気持ちも、そして観劇後の

少しふわふわと地に足がついていない状態もひっくるめて宝塚が好きなんだと。

 

ライビュやライブ配信等でより宝塚が身近になり、特にこのような状況下では

少し前では諦めるしかなかったものが観られることに感謝してやみません。

が、やはり劇場あっての宝塚。お客様の拍手があって作品は完成する。

少しも早く舞台が再開できる状況へと落ち着くことを願ってやみません。

 

そして再開された暁には、客席やトイレ待ちのおしゃべりは少しは自重をしてほしいアセアセ

皆が愛する宝塚を、大切な人を守るためにも・・・

 

 

ということで、簡単にお芝居の感想をば。

観劇前にはあまり芳しくない感想を聞いてたのである意味予防線を引きながら

観に行ったのですが汗思ったよりは良かったというのが正直なところ。

そしてやりようによったらもっと良くなったのになとも。

 

脚本について。まるで谷先生の作品かのように皆〇し汗

時代が時代だからしかたがありませんが、さらに早わかり歴史ものになっているので

淡々と話が進んでいくので、少し感情移入しずらい部分も。

そりゃまぁアウグストゥスがカエサルの引きで神祇官になってから16年もの歴史を

登場人物一人一人書きながら1時間半にまとめるわけですから、そりゃ早送りにもなる。

 

そう16年。今作では主人公のオクタヴィウスは若さゆえに悩み周りに振り回されつつ、

最終的に帝王としての自覚を持つ流れが描かれています。が、振り回され部分が多く

基本的に彼は何も決断していない、した部分は裏目に出てしまっています。

(それを乗り越えて真の王になるってことなんでしょうけれど)

 

ゆえに他の登場人物に比べて少し薄味に思えてしまう。もっと言うと、本当のオクタヴィウスは

いい意味で“ずる賢い”、そして敵に対して容赦ない苛烈な部分もあった。

さらに物語終盤ではすでに32歳程でしたので、もう少し優男部分以外の描き方をしてほしかった。

 

同じことは主人公回りでもいえることで、例えばヒロインの華ちゃんや右腕マイティも

描かれ方が物足りない。華ちゃんの演技がよかっただけにもったいないなと思うし

(しかもこれが最後)ポンペイアのオチをああいう流れにもっていくのであれば

もっと最初期でああなった方がラストの衝撃も大きかった気もします(元々資料が少ない人ですし)

マイティに至っては登場シーンが一番良かったという(あのズサァーはカッコよかったラブラブ

 

一方カエサル、ブルータス、アントニウス、クレオパトラ辺りはアントニウス以外は

個々のシーンは短いながら、それぞれにインパクトを残してくれました。

少ないといえばりりかちゃんは何年たっても元星組子を見守る目線なので(笑)

こんなにも重い演技の出来る子になったのだなぁと謎の感動が。

 

まぁむしろこの人たち以外ほとんど出番がないというか、、、他に美味しいのは華ちゃん付の

りのちゃんと、クレオパトラ付のしぃちゃんくらいか。音くりちゃんも無駄遣いだよ~

ラストのセリフは彼女らしいけれど(笑)歌は流石なもんでした!

 

やっぱりアントニウスとクレオパトラはシェイクスピアの戯曲になるくらいですから

ドラマティックな話でつい感情移入してしまう。まぁアントニウスの逃げっぷりは置いといて汗

野心にぎらついた瞳、粗暴でああっても人を引き付けるカリスマ、野望と恋という

自分の心に正直に振舞った挙句に破滅という、よりこちらの方が主人公らしいえっ

まぁオクタヴィウスは主人公として描くには優等生過ぎるんですよね~仕方なし。

 

と描かれ方に色々と思うことはありますが、淡々と進むからこそラストの

柚カレー君と華ちゃんとの演技が静寂の中に神々しさも感じられとてもよかったなと。

トップコンビとして最後だからこそ、そしてこんなご時世だからこそハッピーエンドでも

よかったのかもしれませんが、あえてのホロ苦なビターエンド。

それは二人の芝居が一番引き立つから。(前作の全力コメディな二人も楽しそうでしたが)

 

旅立つポンペイアを見送り、苦悩しつつも凛として皇帝として即位する“アウグストゥス”の姿に

今の“柚香光”の姿が重なって見えました。再び舞台が止まってしまいましたが、

どんな苦難ぶつかっても藻掻きながらきっと再び立ち上がってくれる。

大舞台でその雄姿に相まみえる日を心待ちにしておりますアップ

 

 

続く右矢印