月組大劇『WELCOME TO TAKARAZUKA』『ピガール狂騒曲』感想③ | ★F**kin' Perfect★

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徒然なるままに、つらつらと。。。

の続き右矢印続いてお芝居のお話

 

初日の幕が開いてからというもの、とにかく笑えた!元気をもらったとの声が多かったお芝居。

その一方、脚本や組子の使い方がちょっと・・・という声もちらほら。

 

実際に観て久しぶりの華やかな舞台と心から笑えた芝居に大喝采な一方、「ちょっと・・・」という

部分もなんとなくわかる気がします。まぁそれでも個人的にはさほど気にはならず。

久々に宝塚を観たという喜びが大きかったからかもしれませんけれども汗

 

 

脚本について。ネタバレありですが注意言うても『十二夜』ですが(笑)

 

シェイクスピアの喜劇『十二夜』を元に舞台を16世紀末のイタリア風な国から20世紀初頭のパリに。

赤い風車で有名なムーラン・ルージュの舞台裏で広げられるオカシクも真面目な登場人物のやり取り。

元の設定でも十分に面白いですが、華やかなレビューも同時に堪能できるのがこの作品の良さ。

 

舞台が変わってもきちんと『十二夜』やっているなという印象。原作好きとしてはさほど引っかかりもなく

楽しめました。人間関係が簡素化され魅力的な人物が削除されてしまっているのは残念ですが、

その代わりガブリエルの夫や団員、ジャンヌを追う悪人、さらにはデュボンとw話を盛り上げてくれます。

(まぁガブリエルはジャックの恋敵という事で原作のサー・アンドル的存在なのかもしれないが)

 

話の終結がムーラン・ルージュの支配人シャルルとジャンヌは結ばれ、ガブリエルとジャンヌの

双子の兄ヴィクトールと良い仲になりめでたしめでたし。このあっけなさというか、

シャルルもガブリエルもそれでええんか?とツッコミを入れたいところですが、なんせそこは原作通り。

他の作品なんて出会ってすぐに結婚式挙げて殺傷事件起こすぐらいですからね(某赤青物語)

 

舞台を移したことで無理に思う部分や描き足りない部分も確かにあります。

シャルルの人物像の不安定さ(前半と後半で性格が変わったように感じる)とジャンヌへの想い。

(男装姿とはいえもう少し彼?彼女への情をもう少し描いてくれないとラストが唐突)

ジャックの方はシャルルの舞台に対する情熱にほだされた感はありますけれどね。

 

からん君演じるロートレック。ムーラン・ルージュを語るに欠かせない人物ですが、

妹を探すヴィクトールの酔っぱらった友人ポジ止まりなのが惜しい。

芝居巧者のからん君のお蔭でとってもおいしい役となってますけれどねニコニコ

ムーラン・ルージュに通い詰めた彼の画はセットにもありましたね!

本編の1年後、酒の飲みすぎで若くして亡くなってしまうなんて・・・

 

第二のヒロイン、ガブリエル(第一はジャンヌグッド!)彼女は当然ながら原作『十二夜』でいうところの

オリヴィアですが、彼女に当てがうのは少々役不足な面があるというか勿体ないというか。

というのも、性の解放を謳った彼女はジェンダーフリーのアイコン的存在。

バイセクシャルであり、それこそ彼女が見出したオードリーよりも時代を先取りして苛烈に生きてきた。

(ちなみにちなつ君のウィリーもバイセクシャルだったらしい)

 

そんな彼女ですから、たとえ好きになったきっかけがジャックの見た目だったとはいえ、

彼(彼女)の紳士な態度や真面目で純な内面含めて好きになったのだろうし、

例え女性とわかってもジャンヌの事をそのまま愛したんじゃないかなぁとも思ったり、逆に双子とは言え

キスもジャックと思っての事で、ヴィクトールとは実際の彼女はそのまま付き合わないでしょうね。

 

去年キーラ・ナイトレイ主演の映画公開されてたのですね!知らなった~

 

正直史実の彼女の存在がドラマティックすぎてアイコンとして影響力もあるので宝塚ならともかく汗

他でやったら結構ブーイング来るんじゃないかってぐらいなのですが(原田先生ガーン

なので彼女に関していえば架空人物でもよかった気がしますが、そうなるとウィリーが困る叫び

 

いっそあまり出番のなかった双子の兄をなくしジャンヌとコレットが結ばれちゃう?とも思いましたが、

そうなると十二夜としての面白さが損ないますし、宝塚の客層がその結末を求めるかと言われるとあせる

 

まぁ最初に言いましたが、ただ単に『十二夜』ムーラン・ルージュverと考えたら

大いに笑える作品には違いないので。ただ深くは考えず芝居巧者な月組の上品なコメディを

堪能して笑いに心を委ねるのが正しい見方な気がします得意げ

 

宝塚が実際の人物像とかけ離れていることはままありますから(笑)

登場人物に興味を持ってみたり、あるいは今回みたいに原作の『十二夜』に触れたりするのも、

宝塚の楽しみ方の一つですねアップ(シェイクスピアの中でも一二を争うぐらい好き)

 

続く右矢印