『ウエストワールド』

『フライング・サパ』が宝塚でも珍しいコッテリSF作品ということで。

今回紹介する海外ドラマは超大作SFドラマ『ウエストワールド』

最初に言っておくと、今ならアマゾンプライム会員なら無料でシーズン２まで見られます

１話が普通のドラマより若干長いですが、１シーズン１０話だけなのも見やすい。

『ウエストワールド』というタイトルに聞き覚えのある方もいらっしゃると思います。

それもそのはず、73年にユル・ブリンナー主演で映画が製作されていまして。

西部ガンマン、ローマ帝政時代、中世騎士時代が味わえる近未来のテーマパークが舞台。

そこでもてなす人間と瓜二つなロボットたちは２４時間体制で管理され、客を楽しませるが

決して人間に危害を与えず“絶対安全”なはずだったが、あるとき急に暴走し始め、、、

古典SFによくある手法でロボット三原則は得てして破られるものですが

絶対安全のテーマパークが暴走って他の作品も思いつきますよね。そう、『ジュラシックパーク』

実は『ウエストワールド』の脚本家（監督）が後に『ジュラシックパーク』を執筆。

コンセプトはそのままに、よりダイナミックで吸引力のある作品へと発展させました。

個人的に思いだすのはドラえもん映画の『のび太と銀河超特急』

此方も安全だったロボットが反乱を起こしたり西部の世界があったり。

西部劇にしろロボットの反乱にしろ、昔から好まれる題材ではありますね！

話を戻して本作品。リメイクではないですが上記映画に基づいたドラマシリーズとなっています。

西部開拓の世界が再現されたテーマパーク。そこには高度な技術で作られた人間と見分けがつかない

ロボット（ホスト）たちが綿密に計算されたシナリオ通りに動いており、多少なりとも自意識を持つ。

客（ゲスト）たちは高い金（最低１日４万ドル）を払って現実と乖離した世界に遊びに来て

好き放題やりたい放題。シナリオ通りに保安官になったり悪党になったりも良し、

南北戦争に身を投じるも良し、農場の娘と恋に落ちるもよし、ただ享楽にふけるも良し。

多少の怪我はすることはあれど命が脅かされることはない。ローリスクハイリターンな遊び場。

ホスト達はシナリオの終点まで動いたり途中で破壊（殺されたり）されると秘密裏に回収され

修理され記憶はリセットされる。といっても機械は完全にリセットすることはできず

時折齟齬を起こしてしまう。そうなった場合は違う役割が与えられたり処分されたり。

ゲストを楽しませるだけに永遠のループを生き続けている彼ら。

そんなある日、数体のホストが疑問を持つ。自分達は何者でここはどこなのか。

ロボットたちは本当に自我を持ったのか、それともこれも誰かのシナリオの話なのか。。。

とにかく話が複雑後の話（というかむしろ最後で）ここでの話はこういう事だったのかとわかることが

多いので、一回の視聴で全てを理解するのは不可能です（ネタバレをみながらでない限り）

更に哲学的な言葉や意味合いが多かったりするので、噛み砕いて理解するのに時間がかかる。

シーズン１での主筋はおおよそ３つ（初見では）

１・農場娘ドロレスと純粋な青年ウィリアムとの恋

２・日常に疑問を持ち始めた娼婦メイブ

３・パーク裏方話

２はいわゆるロボットSFの王道的展開ともいえる。１はロボットと人とが恋をする事が出来るのかという

悲劇にしかならなそうな二人の恋にハラハラ。３はパークを管理する側の話で、創始者をリコールという

きな臭い話から完璧なはずのパークがちょっとずつ歯車が狂っていく様子を描いている。

更に、どの筋にも登場する謎の黒い男がちょくちょく話を拗らせていく。

最終話には「やられた！」という思いと「どういう事！？」という疑問で頭がいっぱいに。

最初から見直したくなること間違いなしです(笑)

シーズン２では更に話が進んでいき、ホストとゲストの対立が更に深くなっていきます。

筋は基本的に先ほどのドロレス、メイブ、パーク管理側になりますが、時系列がもうごちゃまぜすぎて

更に西部だけではなく、英国領インドパークやなんとショーグンパークまである始末。

・・・ぶっちゃけショーグンパークはただの制作者の趣味でしょ？と言いたくなりますが結構雑

まぁ日本のスペイン村やポルトヨーロッパを思えばアメリカから見る江戸時代もこんなものかもとw

少なくとも将軍が爆殺されることはないですからね(笑)（某アメコミドラマより）

真田広之さんの腰の据わった素晴らしい立ち回りが観られるだけでももうけものとしましょう。

此方も最終話で話が回収、シーズン１の伏線の回収もされたりとでシーズン最初から見返し待ったなし！

（私はシーズン１から見返してしまいましたよ。新たな発見もあったりとなかなかに面白かったですが）

シーズン３はパークの外に。ここからはガラッと雰囲気が変わって通常のSF色が強くなりますが、、、

実は未視聴なので９月の吹き替え配信を待ってます（待ちきれずに字幕を見てしまうかも）

HBO作品らしく、まぁちょっぴり大人向けではあります。（『ゲーム・オブ・スローンズ』と比べれば全然ですが）

凄惨なシーンもない事はないですが、そこまで怖かったりグロいと思うシーンはないとは思います。。。

（まぁ比較が『ゲースロ』なんでHBO以外の他の海外ドラマ（ホラー系除く）よりかはあるかも）

ホスト達は基本修理を受けているときは真っ裸。これも人（技術者）がホストを人ではなく物として

扱っているからなのですが、それはもう俳優さんたちの脱ぎっぷりが凄い！

でも人でないものに見えるというか無機質さ全開でエロさを全く感じられないのは演者のなせる業か。

『ゲースロ』もですが、OPが秀逸！世界観を如実に表しています。若干怖いけど

西部劇やSFが好きな方、複雑な話を考察しながら深読みしたい方必見！（はい、私ですw）

興味を持たれ方はぜひにもう一度アナウンスしておくと、アマプラでS２まで観れますので(笑)