宝塚の巨星がまた一人、旅立たれました。
詩的で美しい台詞に満ち、幕が降りても情感あふれ余韻を残す脚本。
まるでクラシカル映画のワンシーンを観るかのような、幻想的な演出の数々。
古き良きという言葉がピッタリの作品にも拘わらず、
今もなお多くの作品が再演されるのは柴田作品が多くのファン、
そして演者のジェンヌさん含め内部の方々にも愛されている所以でしょう。
和物洋物問わず多くの作品を手掛けられましたが、
個人的に柴田作品で一番好きなのは『黒い瞳』
マミさんのノーブルさ、風花さんのまるで羽根が生えたかのような踊り、
リカさんの怪演っぷり。併演併のショーも含め、世界観にのめり込みました。
最近の星組とも縁深く。
紅さんが中日で『うたかたの恋』礼君が『アルジェの男』をやりましたね。
まぁそれを言ってしまえば、みりお君だって『仮面のロマネスク』『あかねさす紫の花』
雪組はチギさん時代に『星影の人』『哀しみのコルドバ』最近は『凱旋門』『琥珀色の雨に濡れて』
月組は龍さん時代に全ツでたまき君が『激情』
宙組は先ほどの『黒い瞳』まぁ様時代には『バレンシアの熱い花』
ここ数年でもこれほどの作品が再演されてきました。
新作と言えばちえさんの退団公演『黒豹の如く』
10年ぶりの新作という事で、当時大きな話題となりましたね。
またそこから新しい本を書いてくださると思っていましたが、
残念ながらそれが最後の作品となってしまいました。
これまで多くの宝物を宝塚に残してくださり本当にありがとうございました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
・・・少し不謹慎かもしれませんが・・・
冥途歌劇団でまた素晴らしい新作かき上げてくださるんじゃないか、なんて思ったりです。