雪組大劇『幕末太陽傳』『Dramatic“S”!』感想① | ★F**kin' Perfect★

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徒然なるままに、つらつらと。。。

今日は新公でしたね!難しい演目ながら大健闘だったみたいで。(大さんの役演じる叶君が

評判よかったみたいで何よりアップえぇ好きですからw)明日は休演日!少しでも体を休められますよう。。

 

正直初日に観たきりで大分空いてしまいましたし、練度も今と比べ物にならないと思いますが汗

(そもそも咲君が休演の時点で)自分用の観劇録も兼ねて簡単に感想をば、、、(本当に今更感)

(と思ったら、ほぼほぼ書き上げたのに記事が全部消えてしまった、、、なので本当に簡単に)

 

 

お芝居の『幕末太陽傳』について。退団公演らしからぬ作品(何をもって退団公演らしいと定義するかに

よりますが)すべての作品がそうというわけではないですが、主人公とトップさんを反映させながら

身も蓋もない言い方をしてしまうと涙を誘うような作品ではなく。組子へのバトンタッチ的な演出も皆無。

 

そもそも居残り佐平次自体がおおよそ宝塚の主役らしくない。ピンチに駆けつけるヒーローではなく

(ピンチに駆けつけるという点は相違ないですがw)カッコよさも何かに悩んだ末に解決とか、そういう

タイプではない。はたから見るとその場しのぎで口八丁手八丁やり過ごす、ただの一介の町人。

 

ゆうみちゃんにしろ落ち目な女郎、だいもんも歴史に名を残す人物ではあれど居残りよりヒドイ居残り。

大さんに至っては突き落とされた挙句に頭に昆布と(笑)カッコいい人物が誰一人いない今作品。

 

それでも今の雪組だからこそできた作品。宝塚らしからぬ作品に挑戦する事は、違う世界を知る

よい窓口になる。とは言え、それを退団公演でやらんでも~という気持ちは確かに公演前はありました。

しかし、色々と挑戦作をこなし和物経験も豊富な今だからこその挑戦作。これがちぎさんのお披露目でやったとしても、ある程度のものは仕上がるでしょう。でもここまでの作品には恐らくならなかった。

 

そして佐平次。お調子者ながらもどこか影を背負い、風のような男はどことなくチギさんを感じさせる。

和物の所作や間の絶妙さが見事であり、その存在感に“早霧せいな、ここにあり”と見るものに

インパクトをこれでもかと植え付ける。涙はなしに笑いをまき散らし、気が付けばその姿はなく。その様は

まさしくちぎさん自身望んだもの。これほどまでに早霧せいならしい集大成はないのではないだろうか。

 

 

セットについて。ここ最近のオリジナル作品の中では一二を争う素晴らしさアップシンプルな作りなのに

女郎らしい豪奢さを感じさせ、更に立体的な作りはオムニバス的今作品を上手い事表現し。

(おかげさまで目がいくつあっても足りない目)銀橋を桟橋に見立てたり、ベルばらさながらなw

舟も出てきたり。小柳先生は作品にあった舞台機構の使い方が本当に上手いなとグッド!

セットというより演出面ですが、窓から長州藩士sが出てきたときは相当わらえました(笑)

 

衣装について。娘役さん達は女郎らしい豪華さ。一方男役さんはちぎさんも何度か着替えていますが

基本的に町人たちなのでシンプル。長州藩士は更にシンプル叫び(というかムサイw)

 

音楽について。ナンバー数は少なく、帰りに口ずさむような耳に残る感じではないですが(流石に

制作発表で使用されているのは残ってますけど)長州藩士ナンバーがキャッチーで好み音譜

和物ですが全体的にポップで、映画でも使用されているBGMも使われています。

 

 

最後に脚本について。映画が原作で元々が落語をいくつかより合わせているだけあって、初見で

付いていけないことはないですが話の展開がとにかく早い!(なので予習した方がわかりやすいかも)

オムニバス形式なので特に盛り上がる場面もないですが、(むしろ全場にわたって大騒ぎの気もw)

全体的にほっこりとした作りであり、ある意味安心して観ていられます(とりあえずティッシュはいらない)

 

役は結構多いのですが、割と組子の見せ場は少ないかも。(ちぎさんは八面六臂な活躍ですが)

出番があったとはいえ、桃ちゃん辺りも役不足と感じました。そんな中でも、長州藩士sはナンバーも

あったりと割と美味しい感じでしたね!(あとは大さんw)

 

落語ということで一見不謹慎な場面もありますが、割かしサラッと流せるのは芝居力のなせる業か。

そもそも落語と切って切れぬ縁といいますか。“死”すら笑いに変えるのは生きるのに必死だからこそ

当代の気質か。(ラストのシーンで初日ゆうみちゃんが大転倒したのにはビックリ!怪我なくて何より)

 

退団を意識した作りではないといいましたが、ラスト付近でトリデンテなナンバーがありますが、結構

とってつけたというか狙いすぎな気も汗他にもラストの展開は原作と異なって宝塚的ではあり、

全体の流れからは違和感感じますが。別にこれは宝塚だから宝塚的でもいいじゃない!ともにひひ

 

 

大いに笑わせてもらいましたが、同時に落語の難しさも改めて感じた作品でした。組子の

芝居の上手さは十二分に発揮されてますが、どうしても空気を動かすのがちぎさんで。

(そもそも落語は一人で演じるものなで当然っちゃ当然ですが)これが更に組全体で

芝居を動かせるようになると、更に歯車が合致したように落語のうま味が出てくるように感じ。

(その中でも少ない出番ながらに専科お二人(特にゆうちゃんさん)の上手さが絶品!)

 

作品を観て感じたのは、佐幕だの攘夷だのは一般人にはてんで関係なく。日々を懸命に生きる。

生命力こそが人の心を動かし、心を打つのだなと。(勿論使命に命をかける姿も素晴らしいですが)

苦しい時代にも明けぬ夜はない。夜明けに向かって羽織ひっかけ駆け抜けられますよう。。。

映画の予告編だけでも宝塚と同じや~と!時間があれば映画も観てみる、、、かも