星組バウ『燃ゆる風』感想③ | ★F**kin' Perfect★

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徒然なるままに、つらつらと。。。

②の続き右矢印『OSO』で力尽きてしまったのでw簡単に個人の感想を

 

稀代の天才軍師(七海ひろき)

涼やかな目に青白く整った顔がひたすら麗しく、中性的であり妖艶さすら感じられ。遠くを見据えた

その瞳はただ戦なき未来を見据え。なじんだ鎧姿はひたすら武に生きた戦国時代の風を感じさせる。

 

その男、竹中半兵衛。深慮遠謀に長け稀代の名軍師として名を馳せますが、その名がよく知られる

きっかけの話は簡単にで汗城が堅固なことを良い事に胡坐をかいている主君の目を覚まさせるため

十数人で城を乗っ取り。更に信長から美濃を半分受け渡すと申し入れされたにも関わらず、主君に

城を返却して(本当に諫めるためだけだった)自分は隠居。こんなカッコいいことをする男が

現実にいただなんてラブラブ(なのでここは話だけでなくきちんと演じてほしかったポイントなんですが)

 

三顧の礼ををもって秀吉の軍下に下った半兵衛。前の主君の顛末を見てきたからこそ、今度こそ

命を懸けられる主君でなければと思っていたんでしょうね。正直秀吉のあり様は上に立つものとして

異質ですが(成り上がりだからこそ人心掌握に長けてるというべきか)その異質さに惹かれたんでしょう。

 

一見何事も冷静沈着で風のように飄々とし熱くなることがなさそうな半兵衛ですが、この時の半兵衛の

瞳は自身の野望(つまり秀吉の元で戦なき世を作る)に浮かされている感じでしたが、更に燃える炎が

見えたのが姉川の戦い。撤退戦にかこつけて秀吉に手柄を立てさせようという意図が見て取れて。

 

この時本当にとるべきは“最小限の被害”であり“戦功”じゃなかったはずですが(多分この戦術を

取ったからこそ被害は最小限に収まったと思うのですが)戦功を優先してしまったからこそ犠牲が

出てしまったという思いが半兵衛の中にずっと楔のように打ちつけられていたでしょう。何事にも

完璧と思っていた半兵衛の弱さ人間らしさがが垣間見えた瞬間でもありますし、半兵衛から

大事なものを奪っただけではなく半兵衛を大きく成長させた戦でもありましたね。

 

この時の烈火の如く戦う半兵衛が本当にカッコよく、軍師の前に武人だったのだと。そしてあの男泣き。

あんなに大泣きしていても不思議と女々しいとは感じず。吐血シーンは「オスカル様?」と

思ってしまいましたがあせる(その後の階段登るところは断頭台?ってw三郎太の盛大なフラグ立ても

オスカルぽかったですけどねw泣き所だとは思うんですが、ちょっと笑ってしまったじゃないか)

 

2幕は軍略家として判断を下す場面が増えます。自分の命や、自分の妻の生家すら軍略の中に

組み込む冷静さ。その一方で官兵衛の息子をかくまったり、妻を濃姫の所に使わせたのも

一手としてだけでなく濃姫への恩返しも兼ねているのか。情に厚い部分も垣間見えます。

 

そして、この人の本質は“燃ゆる風”なんでしょうね。命を幾ばくか永らえて布団の中で死を迎えるより

少しでも太平の世を築くために命を削って戦場で散りたい。それが半兵衛がずっと己に問うてきた

“命の使い道”であり、武人竹中半兵衛の生き方だったんでしょうね。白装束姿も本当に美しかったです。

 

 

カイちゃんのこれでもかというくらい詰め込んだ竹中半兵衛。これほどピッタリな役(そしてご本人が

遣り甲斐を感じる役)はないんじゃないだろうか(なので燃え尽き症候群が少し心配ですがあせる

本当にそれほど熱演っぷりが素晴らしかったです!間違いなくカイ君の代表作となるでしょうね。

 

具足姿、着物姿の佇まいもですが、なんせ声がいいんですよね!ちょっと抑え気味で参謀声と

いうんでしょうか(オーベルシュタインも結構好きでした。多分カイ君のオタッキー心をくすぐるからかw)

妻に対する温かみあふれる声もいいんですが、官兵衛への冷徹な声色がたまらなく好きでした。

 

妻と言えば、当時の戦国武将はそんな事しないだろうとは思うのですが(笑)肩ポンポンとか半兵衛が

やってるのかカイ君がやってるのかって感じですがw背後から抱きしめるところもたまりませんね。

 

歌は正直(そして立ち回りも。。。)なんですが、声質は変わりようがないので(何度も言っているように

台詞声は好物です)良い意味でハッタリの効く歌い方ができるようになるといいですね。

次回のロベスピエールもナンバーが増えるみたいですし、新たなロベ像期待しております!

 

 

あれ?簡単に。。。次こそは本当に簡単に。ということで続く右矢印