私は今

旅をしている。

 

 

 

 

旅をしていると

旅情というのだろうか

 

 

感傷的な気持ちになり

色んな感情が溢れてくる

 

 

そんな中

私の気持ちを掻き立てるのは

 

 

先日 私が犯した 大きな罪である。

 

あの日私は焦っていた。

 

人生初めての野ぐそをしたから

焦っていたのではない

 

野ぐそを片づけに行けなかったことに

焦っていた。

 

 

野ぐそをし

川に入水し

シャワーをし

家で妻に詰められたあと

 

 

私はあの 野ぐそを片づけに行こうと

思っていた。

 

しかし

そのタイミングで学校から電話があり

片付けに行けなくなったのである。

 

正確に言うと

 

忘れていた。

 

 

 

あの うんこはどうなったのだろう?

思い出したのは

 

その夜

 

学生時代の友人達と会食していた時である。

 

 

 

友人たちに真っ先に言おう

そして驚いてもらおうそんなサービス精神で

 

 

野ぐそをしたことを

告白すると

 

『えっ?はじめてなの?』

 

 

逆に驚かれた

 

みなさん

結構な率で野ぐそをしたことがあった。

 

 

くっそぉぉぉぉ

 

 

 

野ぐそで 興奮していた

自分が恥ずかしい。

 

 

その話をした時に

思い出した。

 

 

あれ?うんこの処理忘れてた

 

 

 

あの うんこは 自分の恥部で

 

あれを人に見られたら

どうしよう?

 

犬でも砂をかけるのに

自分はそのまま放置してきた。

 

 

明日確認しにいこう。

 

 

そう

思いながら翌日

 

うんこのことは忘れていた。

 

 

その翌日も

 

うんこのことを忘れていた。

 

 

その翌日に

同じコースを散歩して思い出した。

 

うんこはどうなったのだろう?

 

もし

自分がした場所だけ

 

雑草が枯れていたら

自分のうんこは肥料にもならないのかと

少しショックかもしれない。

 

なんて考えながら

 

現場に着くと

 

そこに

うんこはなかった。

 

 

 

あの経験から

私の心情に少し変化が現れた。

 

腹の弱い私は

知らぬ場所に行くと

 

移りゆく 街はまるでぇ 僕らを急かすよぉにぃ~

 

トイレぇぇ  トイレぇぇ

 

と 探していたのが

 

探さなくなったのである。

 

 

何かあれば

 

野ぐそ

したらいいか

 

こう思えるようになった

 

 

40を超えた大人が

 

クソみたいな成長をした瞬間だった。