ある日

 

キッチンの近くで作業をしていると

 

ブリっと

 

音が聞こえた

 

同時に

 

『あっ出てしもうた』

 

 

妻がおならの排出を宣言した。

 

 

 

私はたまにしかない

 

 

妻のおならを

見逃さない

 

見逃したら

TVer

 

でなんて

考えているのは

現代人の甘えだと思っている。

 

 

その時その一瞬でしか

感じられない

何かが

ライブにはあるということを

見逃し配信で済ませている民たちに伝えたい。

 

 

 

話を戻すと

 

 

 

私は昔からこの

配偶者のおならが好きだ

 

と言っても

 

おならの匂いを嗅ぎたい

とか

おならをぶっかけてほしい

みたいな

特殊性癖ではなく

 

ただ単純に女性のおならが好きなのである。

いや

ちょっと待て

どう説明したらいいのだろう

 

 

 

何から伝えれば

いいのか

わからないまま時が流れて

 

しまいそうなので

 

 

少し整理すると

 

 

昔から

親しい人が私の前で

放屁すると

 

 

 

とうとう

君も私に

菊の御門を開いたのね

 

これで

私たち

隠し事は一切なくなったね

 

へへへ

 

 

 

こんな気持ちになるのである。

 

 

 

 

これを友好の証だと

思っているので

 

友好の証を

しっかりと記録すべく

 

 

私は屁をこいた主に

 

『今、屁をこいたね?』

 

 

確認することにしている

 

 

女子がよくやる

 

 

私たち友達だよね?

 

 

同じ行為である。

 

 

本当の友達は

私たち友達だよね?

なんて

聞かなくても

 

当然友達であり

聞くほうが

友達関係が薄い気もするが

とにかく

証が欲しいので

 

確認するメンヘラである。

 

 

 

 

すると

 

 

相手はすごく

嫌そうな顔をし

 

 

 

 

失礼しました

 

だの

 

すみません

 

だの

 

私だって

おならくらいする

 

だの

 

反省や居直りの弁を述べてくる

 

 

そんなことは私にとって

どうだっていいことで

 

 

 

 

 

今屁をこいたね?

 

 

こいたよ

 

ブリってなったね

 

ちょっと切れが悪かったかな

 

次はもっといい音だしていこう

 

いぇい~

 

パチン

【ハイタッチ】

 

 

 

 

こんな関係が築きたいだけなのだが

 

結婚して15年

 

どれだけ機嫌がいい時の

放屁でも

 

 

いまだに

 

2行目にも

すすめずである。

 

 

夫の前で

 

 

肛門は開いても

心は開いていないのかもしれない

 

 

不安になる時がある。

 

メンヘラである。