最近人事や広報IR、経営本部などの全社機能では「シンプル化」を推進しています。社員一人ひとりが何か申請したり依頼したりするに当たっても、複雑だと時間も手間もかかるため圧縮していく必要があります。

 

先日は全社機能全員で集まって「複雑になっているもの=シンプル化の障害」を列挙するワークをやりました。各部門の責任者が進めてくれていますが、早速解決できるものも決まってきました。自分が一人の社員だとしたら、という視点でどんどん捨てていきたいと思います。

 

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シンプル化は、組織だけのものではなく、個人でもできるものです。

 

そこで最近よく使っている言葉が、

 

「解像度を上げると成果が出る」

 

というものです。

 

解像度というのは耳慣れない言葉かもしれませんが、言い換えると「自分と相手で、見ているものを同じにしよう」ということです。誰かから仕事をしていて依頼された時に「同じ成果物イメージ」を持つということですね。成果を出す人を観察すると、共通して「解像度を上げる」ことを無意識で大事にしています。

 

解像度を上げると良いシーンというのは日常でもよく出てきます。例えばよく出ることとしては下記が代表的な状況です。

1)人から仕事を依頼されたとき。
2)新しい仕事をやるとき。
3)目標設定するとき。


一番大きく差が出るのが、「人から仕事を依頼されたとき」です。

例えば誰かから仕事や書類を依頼されて、みなさんが何かを持参したときに「これじゃない」と言われてしまうことがあるかもしれません。私もこれまで何度もダメ出しされた経験がありますが(汗)、これはまさに依頼主とみなさんで「成果物の解像度にズレがある」ということになります。

ここでいう解像度とは、成果物を映像化したら同じものになっているかということです。例えば私は「アウトプットイメージを合わせよう」などの言葉をよく使っています。

 

グラフ、表、フレームワークなどなどのフォーマットや、どの指標が入ってるかなどのデータやファクト部分が依頼主から預かる時点で同じかどうかということです。

だいたい依頼主はざっくり依頼することが多いので、工夫が必要です。上司などの依頼主は自分よりも見ている範囲が広いことも多く、部分を細かく見るよりも全体の成果を出すことが仕事です。だからこそ依頼もざっくりすることが多いもの。

一番オススメなのは「自分の言葉でオウム返しをすること」です。

何か依頼を受けたら、「わかりました」とそのまま持ち帰るのではないというのがポイントです。

「こういうことですよね」
「ここがポイントということですよね」
「この材料があればまずは大丈夫ですよね」


と投げてみる。オウムのように返すことで自分の解像度と相手の解像度のズレがある場合、すぐにわかります。相手のセリフをそのまま繰り返すと流石に頭が悪いように見えてしまう危険性もあるので(汗)、自分なりの解釈を言葉に変えて話せると相手にとっても安心感が増します。

ズレている場合にはこの時点で相手が「そうじゃないよ」と発言するので、ズレが早いうちにわかります。また、お互いの理解度(解像度)がすり合わされてだんだん慣れてくるとオウム返ししなくてもズレが出ないようになります。

一方で、解像度を上げることは「自分が依頼主」の時にも意識すると成果が早く出ます。

手書きで紙やホワイトボードに書く(イメージの解像度が共有できる)
「どういう感じの資料になりそう?」と質問する(相手の解像度を確認する)
2割程度で報告を依頼する(早めに持ってきてもらうことでズレの有無がわかる)

 

複雑はスピードを確実に鈍化させるので、ズバリ悪です。私も役員や社員と対話するときに解像度を上げることで、往復を減らしてどんどんシンプル化していきます。