「強みを活かす」クラウドファンディング出版、おかげさまで90%を超えてきました!そして、この本の執筆も大詰めになってきました。原稿の一部をご紹介します!

 

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◆人材育成から才能開花へ




 

人は育てられるものなのか、育つものなのか。
 

一般的によく使われる言葉として「人材育成」という言葉があります。この言葉には紛れもなく「人を育てる」という意味が含まれていますが、果たして本当に「人を育てる」ということはできるものなのか。
 

確かに育成プログラムなどを通じて成長をとげる人材がいることは間違いありません。ただし一方で特に育成された環境でなくても、勝手に育つ人もいます。たとえば急成長した企業の経営者には「誰からも育てられてない」「経験を通じて学習したことしかない」と感じている人もいます。
 

私は20名程度だったサイバーエージェントに入社してから約20年、活躍する人材をたくさん見てきました。特にこの10年は人事責任者として、社内や社外に限らず成果を出し続ける人がどのような人なのかを観察してきました。
 

 そういう状況においてもしっくりとした答えを生み出せない問いが、この「人を育てることはできるのか」。先ほどの勝手に育つ事例がある以上、人材育成という言葉には言い足りてない感覚と、若干の上から目線を感じるのです。人材育成を手掛ける自分が上位にあり、育てられる側はすべて下位にある解釈をすると、この言葉には「お前を育ててやる」という意味が含まれてしまうのです。こういう理由もあり、私は「人材育成」という言葉はあまり積極的には使わないようにしています。
 

 そこで、「人材育成」よりも良い言葉がないか、と探しているときに見つけたのが、「成長支援」という言葉でした。人の成長を支援する、人の成長の手助けをするという意味で良い言葉なのではないかと思ったのですが、冷静に考えるとそうでもありません。「支援」という言葉に、「未熟な君のために、私たちが成長の場をつくってあげますよ」というニュアンスを感じてしまうのです。
 

 「人材育成」には、「お前を育ててやる」という上から目線があり、「成長支援」には、「卑下しすぎて甘やかしている」というニュアンスが含まれている。
 

 こうして悩んだ末に行きついたのが、「才能を開花させる」という意味の「才能開花」という言葉でした。一人ひとりがもっている才能を開花させることができれば、その企業や組織、チームを今の状態よりもはるかに強くすることができるのではないか。そう思ったのです。100人のメンバーがいる組織で、100人全員が才能を70パーセント発揮している状態よりも、105パーセント発揮している状態なら当然業績も変わってくる。一人の力を、より引き出すことに力を注ぐというのは生産性向上のための大切な考え方です。
 

 これからは企業間で「才能開花競争」が始まります。労働人口が減り、より少ない人数でより大きな成果を生み出す必要がある中では本人が持っている可能性を見極め、最大限に才能を引き出す。ここに手間暇や投資をする会社が永続的に成長し、個々の才能を大切にしない会社が苦労する。そういう時代が迫ってきています。
 

 「才能」は、言い換えればその人ならではの強みです。一人ひとりの才能や強みを見つけて伸ばし、活かすことこそが人事においては最も大切である。入社してくれた社員に対して「いかに個々人の才能を開花させるか」ということに時間をかけることで、社員個人にも会社全体にもプラスになると考えて、試行錯誤を繰り返しています。
 

 ただ、「才能開花」は命令してできるようなものではありません。「才能を出せ」と命令されたところで委縮するだけです。その人が持っている才能を引き出すということはとても難しく、簡単ではありません。
 

 では才能を引き出すにはどうすればいいか。それは、才能が開花する「環境をつくる」ことです。大きな仕事を任せたり、対話によって背中を押してあげたりするなど、その本人が自分の強みを引き出せるような環境をつくることで才能が発揮されやすくなります。
そのためにまずやることは、メンバーの強みを見つけること。
 

 リーダーがメンバーの強みを見つけるだけでなく、リーダー自身が自分の強みを見つけ、メンバー自身が自分の可能性に自ら気づけるようにすることが、「才能開花」への第一歩となります。

 

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今回の新しい本、「強みを活かす」では、「自分の強みの見つけ方」、「仲間の強みの伸ばし方

」、「チームの強みを活かし方」などを具体的な方法も含めてまとめています。

 

強みを活かすプロジェクトの応援、よろしくお願いいたします!爆  笑

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