人材開発において、非常に考えさせられる本。すごくいい本でした。
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能力開発の観点から最も優れた経験とは、人をストレッチ(能力を広げ)させ、難題を伴うような経験である。
リーダーに必要な広範囲に及ぶ能力を開発するには、チャレンジの多様性が重要である。
リーダーシップ開発モデルづくくりには下記の3つを踏まえると良い。
・成長を促す経験をつくり出す
・経験から学ぶ能力を強化する
・成長を促す経験を組織の中に組み込む
仕事の割り当ては、リーダーシップ開発において最も古くからある最も強力な手段のひとつである。
ほとんどのマネジャーは、積極的かつ継続的に学習してはいないということがわかった。ほとんどの人々は「居心地の良い」範囲内で気楽な学習をしている。「慣性との決別」が重要である。
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この本から得られたリーダー育成のポイントは
1)仕事の割り当てが強力な開発手法である
2)チャレンジは単一ではなく、多様であることが重要
3)リーダー本人の学ぶ能力で成長に差がつく
ということでした。
先日社長の藤田や取締役と人材育成について話をする機会があったのですが、その時に出たキーワードのひとつが
「結局は環境が人を育てるんだよね」
という言葉。
ちょっと極端な考え方ですが、「人が人を育てる」のではないということです。
決して効果がゼロなわけではありません。もちろんスキルや考え方などを教えることはできます。ただしポイントは「やるかやらないかはその本人次第」ということで、結局は行動に移そうと本人が変化するような環境にないと、どんなに正しいことを上司や先輩として言っても効果が弱まってしまうということを直視したほうがよいと整理できました。
人材の成長を加速させるために今年の3月から人材開発本部を新設しましたが、一方的な研修だけで人が成長するわけではないことは感じていたので、むやみに研修(特に座学)を増やすことには自分の中で抵抗がありました。でも何かの取り組みをしないと、成長を加速するような取り組みは増えないという葛藤の中で悩んでいました。
この本と、役員との議論を通じて、ある結論にたどりつきました。
ひとりひとりの才能を発見し、
その才能が伸びる仕事を任せる。
これが人材開発の真骨頂だとわかりました。
研修や面談も大事ですがすべてその手前の手段であり、適切な配置こそが人材開発がやるべきことだと確信しました。
今後、人材開発本部は「才能の発掘」に力を入れます。
・発揮できていない個々の才能を見つける
・その人材に「こういうのを任せるとよいのでは」という環境の提案をする
・才能が開花できるような育成プログラムで成長を支援する
どんどん試して、一人一人の才能開花に力を注ぎます。