人材開発本部の新しい取り組み、「覚醒パイプライン」ミーティングを始めました。

以前書いたブログ。


『「覚醒パイプラインミーティング」を幹部全員と実施します』

http://amba.to/1zeKLIe

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覚醒パイプラインミーティングの目的は大きく二つあります。

■覚醒パイプラインミーティングの目的
1)人材育成の支援
2)活躍人材の発掘


この二つです。

部下などがいるリーダー5、6人程度に集まってもらい、事前に渡す「覚醒パイプラインシート」にもとづいて自分のチームのメンバーの強みやどのように育成しようと思っているかについて説明をしてもらいます。

その説明を受けながら、私たち人材開発メンバーが「こういうアドバイスをしてみたら?」とか「こういう方法で始動してみるといいよ」などのアドバイスをしていきます。私も自分の脳みそをフル稼働させて、効果的な人材育成ノウハウを提供するようにしました。


覚醒パイプラインシートには部下の名前をひとりひとり書いた上で、下記の項目を追記してもらいました。

■覚醒パイプラインシートの入力項目
・強みは何か
・今の役割は何か
・最も成長したときどうなるか(成長ゴール)



上司による説明の中で特に重要視しているのは、最も成長したときどうなるかという、「成長ゴール」という項目です。

「大化けイメージ」とか、「成長イメージ」と言い換えても良いものです。大きく成長する覚醒のきっかけを考えてもらうために、まずは大きく成長したイメージをひろげてもらっています。

そのメンバーが最も成長したらどこまでいけそうか。たとえば役員になれそうとか、この分野の業界ナンバーワンのプロになれそうとか。


先週がこの覚醒パイプラインの第一回でしたが、今後のサイバーエージェントの人材育成の根幹を担う仕組みになるものだと確信しました。


第一回のメンバーには広告事業の管理職5人に集まってもらいました。

それぞれから各チームの人材について説明してもらいましたが、なるべく近い部署の人にも参加してもらうことで一人の社員につきほかの管理職もたくさんのコメントを寄せてくれました。

「○○くん、すごくいいよね。うちの部署でも評判いいよ」
「○○さん、全然接点なかったけどすごくいいんですね」
「○○さんは顔だけ見たことあったけど、そんなにすごい人だったとは」

などのやりとりが管理職同士で行われ、そこに私たち人材開発本部が人材育成のノウハウを紹介しながら管理職の育成をサポートする形で進みました。

時間としては1時間強でしたが、参加してくれたみんなも参加して良かったと言ってもらえました。

紹介してもらった社員の中には私もほとんど接点を持ててない社員がいたので、活躍人材を知ることができたという意味で多いに収穫がありました。さっそく私も何人かに個別にコンタクトをとりました。


これまで社内外でたくさんのリーダーを見てきていますが、継続して成果を出している上司に共通することは、

人材を育成して、業績をあげている

ということです。


言葉に書くとシンプルですが、この差に気づいてない人は意外に多いです。


「目の前の業績をあげることだけに興味がある上司」と「人材を育成したほうが長期的に業績が上がると考えている上司」では、「組織の継続性(ゴーイング・コンサーン)」の可能性が大きく変わります。


短期的に業績をあげてもダメで、継続的に成長し続けないと意味がない。これが「ゴーイング・コンサーン」です。


目の前の業績を上げるということの難易度の高さと、達成したときの魅力が強すぎて視点が短期的になると、人材育成への危機感が下がります。

逆に「自分がすごい成果を出すこと」ではなく、「すごい会社をつくること」などのように視点が個人ではなく組織に向いたときにはじめて、自分がいなくなったときの危険性を強烈に感じ、早い段階から後進の育成に着手しはじめます。

もちろん目の前の業績拡大にも人材育成は効果的です。目の前の業績も上げていくには自分一人ががんばるだけでは限界があり、組織で成果を出すことが重要なので「人材を育成することが、最も業績拡大の近道である」と理解して動いていくのです。

慣れない管理職や上司の場合、成果を出すことを焦るが故に自分だけでやろうとしがちです。もちろん自分自身がものすごくがんばることは外せませんが、成果を出すリーダーは部下の育成「にも」時間をかけています。


この会議のあと、参加者の一人から「特定の個人を上げて議論できましたし、人材育成を考える機会を持ててとても良かったです!」と言ってもらえました。

「全社的に人材育成の風土をつくる」という意味でも覚醒パイプラインの記念すべき第一回、大いに収穫がありました。

これから、管理職や技術幹部だいたい400人とこの覚醒パイプラインに協力してもらいます。幹部400人に、活躍人材を仮にひとりづつ聞いたとしても「400人の活躍人材リスト」ができあがります。今からそれを聞くことができるのが楽しみです。


覚醒パイプライン第一回の広告事業のみんな。ありがとう!

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