土曜日はデジタルハリウッド大学院にて、
「組織開発実践」の講義の最終日でした。


これは大学のすぐそばにあるニコライ堂。

組織開発実践の授業では、

・組織開発における基礎力
・組織拡大に必要な軸の明文化
・自分が理想とする組織はどのようなものか

などについて40人の大学院生と議論を行いました。


その中でどのようなビジョンや目標が
良いのかという議論になりました。
いろいろな考え方がありましたが、私から伝えたのは


ビジョンは映像化できるようにすると
その力が飛躍的に大きくなる



という考え方です。

「ビジョン」というと、直感的に「ゴール」とか
「目標」という言葉を想起する人が多いですね。

これはこれで問題ないのですが、
ビジョンを英語でみれば「Vision」。
「画像」「映像」という意味も持っています。


だからビジョンを考える時には
「映像」としてのイメージももっておくと
より説得力のある目標にすることができます。



その言葉が映像を想起させるようなものであれば
あるほど、自分だけでなく周囲の仲間の心にも訴え、
一緒にそのゴールをやろうという支援者が増えてきます。

必ずしも具体的な映像を強制するものではなく、
その言葉を提示することで受け取った個々人の頭に
映像がイメージできるようなものも良いのです。

サイバーエージェントは
「21世紀を代表する会社を創る」
というビジョンを掲げていますが、

「どのようなものが21世紀代表の会社なのか?」
については明文化していません。

明文化をして、その明文化されたものが
具体的でわかりやすければわかりやすいほど
実は想像の範囲を超えない小さいものを狙うということに
なってしまいます。

頂上が見える小さな山は、
頂上が見えない大きな山と比べれば
達成感が相対的に小さくなるのと同じことです。


私は会社や組織のビジョンはどうせなら壮大なもの、もしくは
今は想像できないけど将来ものすごく大きなインパクトを
なしとげるもののほうがワクワクします。


社員ひとりひとりが自分なりの
「21世紀を代表する会社」を映像化し、
社員同士で研鑽して実現させる。

一人一人の力を活かしてすごい会社をつくる。

というのはそういうことだと思います。


そういう力が活かせるような環境をつくることが
人事の役割。これからもがんばります。



下記は参考です。

ビジョンの映像化の天才として私が尊敬するのはキング牧師。

私の卒業論文のテーマは
「キング牧師の思想と「I have a dream」演説」でした。

キング牧師はアフリカ系アメリカ人の公民権運動の指導者であり、
1964年のノーベル平和賞受賞者でもあります。

キング牧師はスピーチの素晴らしさがよく語られますが、
「映像化」の素晴らしさは本当に圧倒的で、
聞いていても心に訴えてくるものがあります。


英語と日本語の字幕付きのスピーチ。
よく知られた部分がすぐに出てきます。
非常にイメージ(映像化)しやすいスピーチです。


こちらは少し音声が悪いですが、キング牧師がスピーチしている表情や
周囲の状況を見ることができる映像。時間も長めです。