ゴールデンウィークはリフレッシュも兼ねて海外に来ています。

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予定はあまり入れない主義で、
やっていることといえば
読書、ランニング、トレーニング、
おいしいものを食べる、そして昼寝。


特に読めていない本の読書を大量にできると
自分としてはこんなに楽しいことはありません。
(自分でも正直特殊だと思ってます。こういう性格なのです


ということで非常に深い本を読みました。


資本主義以後の世界―日本は「文明の転換」を主導できるか/中谷 巌


世界から見る日本の今をデータと歴史観を交えて、
今後の日本がどのようにあるべきかを論じている本。

悲観的になりがちなことが多い昨今の日本論ですが、
厳しい事実を冷静に分析されながらも日本の強さや
これからも勝てる論点が整理して書かれており、
勇気をもらえる本です。

考え方の切り口で参考になった点をまとめました。

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日本にとっていちばん大事な政策は、人の心を荒ませない、
温かい感情に溢れた日本人の心情を大事にすること。
社会全体に「どうぞどうぞ」という「贈与の精神」を
復活させることが大事である。

日本には戦後の教科書の検閲、言論統制、日本の国威を
発揚させるような歴史教育や道徳教育の禁止など、
「自分たちはダメな国民なんだ」と考えることを優先する
「自虐史観」が国民の常識としてすりこまれている。

ヘゲモニー(覇権)を握った国は当初、実体経済で高い利潤を稼ぐ力を
有するが、競争相手の登場で次第に利潤率が低下する。
覇権国はヘゲモニーを維持するために金融経済化を画策するようになる。
しかし、金融経済化したヘゲモニー国家はやがて凋落し、
覇権国の交代が起こる。アメリカ、かつてのオランダ、大英帝国など。

日本の強みは「当事者意識の高さ」にある。
階級意識が希薄で、文化を支えたのも庶民である。
過去に言われた「1億総中流」の思想が自分がやらねばという
「現場力」の高さにつながっている。

日本企業の強さには、従業員の一体感の強さ、求心力の強さ、
当事者意識の強さという、外国企業にはない企業文化があった。

従業員が心をひとつにして頑張る組織の団結力の強さというものが
日本の競争力を押し上げてきた。

西洋が根本に持っているのが「闘争の歴史・闘争の文明」である
一方、日本は「和を以て貴しとなす」に代表される「和」の国である。

聖徳太子以来の「和」の精神、薄い階級意識、庶民階級の健全性・・・
そうした要因が重なって独特の日本文化が江戸時代に生まれた。


日本史の特徴は、抜群の社会的安定性にあった。
征服したりされたりする社会では警戒心が高まり
瞬時決着型の発想が生まれやすくなるが、
平和が続き、安定的な人間関係が常態となっていた日本人は
「後ろから人を切りつけるような卑怯なまねは絶対にいけない」
などという目先の利益より長期的な人間関係を大事にする。

「現場に出ていくこと」が経営者の仕事である。
現場の人たちも「オレたちが頑張っているから、この会社はもっているんだ」
という高い当事者意識を持っている。当事者意識の高い従業員がいるから、
現場で例外的な処理が必要な困難な問題が出てきても、管理職の手を
わずらわすことなく自分たちで解決してしまう。日本で業績のよい会社には
こういう会社が多いのだ。

ポーター教授は、「経済的価値」と「社会的価値」に共通の
価値を創造することこそ、企業のあるべき姿だと述べている。
ポーター教授が書いていることで面白いと思ったのは、
「多くの企業内に設置されているCSR推進本部、CSR推進室などと
いった組織は廃止すべきである
(CSRは企業活動そのものでなければならない)。

国際的に活躍している日本人デザイナーの方々に
「皆さんの作品が国際的に受け入れられている理由はなにか」と聞いた返答は、
「それは私が日本人だから。私の競争力は日本文化そのものなのです」とのこと。

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サイバーエージェントはグローバル企業として
多くの挑戦を始めていますが、そのときに
大事にしたいことは「強みで戦う」ということ。


成長が早い個人は必ずといっていいほど習慣にしている
「強みで戦う」ことですが、これは組織にもあてはまります。
あくまでやったことない分野をやらない、ということではなく
新しい挑戦をどんどんしながらも、勝ち方だったり成果の出し方を
自分たちなりの強みを活かしながら伸ばしていくというものです。


これまでも何度も言ってきたしこれからも何度も言うつもりですが、
自分の強みを理解し、それで戦う。
これが大事です。



と、まったくもって仕事モードになりましたが
海岸沿いの写真もどうぞ


ゴールデンウィークは普段できないことの充電週間。
遊びも学びも大切にしたいと思います。


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