明くる日も、またその次も…足を向けたが真行寺は部屋に居なかった。
そして、3日目。
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「うーん…真行寺くん、中々OKくれなくてね…困ったよ」
真行寺の名前で、俺は足を止めた。
そして、この声…
よく聞けば、あの日真行寺と会話してた相手。
「色々と、アピールはしてるんだけど…良い返事をくれなくてね…私としては、ストライクなんだけどなぁ…兎に角、懲りずにまたアタックしてみるよ。うん、その時は宜しく。良い返事もらえるまで頑張るさ。じゃ…」
アピール?アタック?
どういうことだ?
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"コンコン"
「真行寺…」
「あ、アラタさん!最近忙しかったんですか?全然お顔見ないから、心配してたっす」
見てないのは、誰のせいだろうな…真行寺。
「一応、覗いては居たんだが…お前が居なかっただけだ…それに、それを待つほど俺も暇じゃない」
え?と、言う顔をして俺を見る。
来てたのは事実。
確かに、俺が此処に来る時間は区々だ。
だが、まるでそれに合わせるようにお前が居なかったのも事実。
「そ、それはごめんなさいっす!」
久々に聞いた、それ。
だが、またしても裏についているのは俺の嫉妬。
「で、何処に行ってたんだ?」
知っているのに、知らない振りで俺は質問した。
「あ、談話室です。特に何がって訳じゃないけど…あそこ、テレビがデカいんですよ。だから、時々気分転換に観に行ってるっす」
誰と会ってるとは全く口にせず、ただテレビを観に行ってると伝える。
「ふぅん…まぁ、いいけど。そろそろ退院だろ…体が鈍らないようにしっかりとリハビリしろよ。じゃ…」
真行寺の名前を口にしていた男のことも聞けず、モヤモヤとした気持ちで俺は踵を返した。