来年はぼくたちの成人式だ。
でも、みんなバラバラだから会場が違う。
それに静岡に帰って出席するほど執着もない‥
だからぼくに興味のない両親に、いつ開催されるかも知らないであろうコンクールに向けて今から集中したいと、帰らない口実にし帰省しないことを伝えていた。


今日は大晦日‥ぼくの家。
「「葉山は成人式の日、実家に帰るのか?」」
赤池くんと三洲くんがご飯を食べながら聞いてきた。
なんだかんだ気にかけてくれて、二人とも一緒に過ごしたい人が居るだろう日に時間を使ってくれる。きっと、ぼくに寂しさを感じさせない為だ‥
「ううん、帰らない。特に会いたい人も居ないし、男だから着物も必要ないし。それにぼくに興味もない両親はコンクールに集中したいって言えば、そーなのって追求もなかったしね」
今まで実家のことを聞いて来ない二人だったから驚かせたかな?と思ったけど、意外に
「まぁ、成人するわけだから親にあれこれ言われるのもな」って軽く流してくれた。
「帰らないなら夜、いつものメンバーで宴会やろうって話が出てるんだが‥」あー、これはこれから企画するんだ‥また気を遣わせちゃったな‥
「葉山、気にすることはない。みんな、お祭り好きなだけだ」と三洲くんが気持ちを汲んでくれる。「お前が来なくてもやるから」と赤池くんが気にすることはないと暗に言う。
ホントに優しい二人だ‥だから、


「ぼくはいつでも空いてるから日程決まったら教えてくれる?」と答えた‥‥