「さぁ、アナウンス入ったし中に入ろうよ!」
 

チケットの席はどこかな‥

探して見つけたのは‥




「‥‥ねぇ、ギィ‥この席って‥」

「?何か問題でも?」


「‥問題あるだろう‥ここカップル席だよね‥」


「そーだが?」


「‥そーだが?じゃなくて、なんでカップル席なのかってことだよ!」


「だってオレらカップルじゃん」

「‥‥‥」

「だからカップル席‥ッテッ!」

何言ってんだ、こんな人がたくさん居るところで!

今度はジュースを置いたのでグーパンチをお見舞いする!

だってやっぱり恥ずかしいだろ、少しは慎んで欲しい‥
これが二人きりならぼくだって喜んで頷くさ‥



「‥っふぅ‥そこはさておいて、あんまりにも人気過ぎて空いてる席がここしかなかったって言うのが正解だから気にするな。しかも回り見てみろよ、みんなスクリーンしか見てないだろ」


ほんとだ‥
やっぱり何回も観に来てる人が多いって言ってたしね‥嵌まってる人がこんなにいるんだ‥

「なっ!だから手を繋いで観てても誰も気にしないさ!‥っ痛ったィ‥」


まだ言うかコノヤロー!
しかもまだ明るいんだからねっ!

「まだ明るいんだから、止めてよ‥」

「‥おっ、じゃ暗くなったらいんだな!」

「‥そーだね、
暗くなるまで待って‥」

「それって舞台の演目だろ、タクミ今日は物識り博士だな!」



ムッ!なんだかバカにしてないか?



「まぁまぁ、そー言わず暗くなったら‥なっ!」

「‥手を繋ぐだけだからね‥」

ぼくだってそれは嬉しいから暗ければ問題はないよ‥
そう思ったらドキドキして顔が熱くなった‥


「‥おっ、そろそろ始まるな!」