僕だけがいない街 | キャバクラ嬢を口説く為の500の方法 すすきの恋愛論

僕だけがいない街

【主人公の凡ミスとノープラン戦法に呆れる】

呑み屋やスナックでの話題のネタ作りのためによく映画やDVDを観る。というわけで『僕だけがいない街』を観ました。



以下、ネタばれします。

原作は「このマンガがすごい!」で三年連続ランクインの人気コミックなのだが、正直絵が下手すぎて読むのを断念した。但し、フジテレビのノイタミナ枠でやっていたアニメは観ました。

ざっとあらすじ

パッとしない漫画家でフリーターの藤沼悟(藤原竜也)は、事件や事故を看破するまで時間がループする現象・再上映(リバイバル)が起きるようになる。何度もリバイバルを経験する中、母が何者かに殺害され彼は突如18年前に戻る。小学生のころに起きた児童連続誘拐殺人事件と母の死の関連に気付いた悟は、過去と現在を行き来しながら事件の真相に迫っていく。


まあ、なんといいますか色々と残念なところが多々あります。

1.北海道弁がヘン
小学生時代の舞台が北海道石狩市なんだけど、北海道はオレオレ詐欺の犯罪件数が全国一のように訛り自体が少ない地域なのである。つまり詐欺師が標準語で田舎に電話しても違和感がない。そういうところなのだ。

だから、「なして」「だべさ」「したっけ」などの方言をことさら強調する理由がわからないし、ちょいちょい使い方もおかしい。

アニメ版もそうだが、石田ゆり子の発音もかなりあやしい。方言指導とかあったのだろうか?

2.リバイバルの条件が不明
主人公は、重大事件が起こるような違和感を感じると過去へ戻ってやりなおすことができる。時間が巻き戻されたときには周囲の状況を見て、やばい!あの子供がトラックに轢かれる!と判断して子供を助けたりする。そんな特殊能力を「リバイバル」と呼んでるんだけど、2006年に戻ったり、小学生時代に戻ったり、「リバイバル」の条件設定が不明なので、うがった見方をすると作者の都合であっちへこっちへ飛ばされてるようにしかみえない。小学生連続殺人事件を阻止するなら、小学生時代をくりかえせばいいと思うのだが?

というか、周りでは交通事故も火事も空き巣泥棒も起きるわけで、些細な事件から重大な事件まで、どれを巻き戻してどれは巻き戻さないって基準は誰が決めるのだろうか?

『バタフライ・エフェクト』だと、自分の日記を読み返すという条件があったりするんだけど、もう全然わからない。

3.犯人がすぐわかってしまう
登場人物の中に大人が極端に少ないので犯人がすぐわかってしまう。ミステリーものではないからしょうがないといわれればそうだけど。

4.主人公が逃げる理由がわからない
母親を殺したと疑われる理由が何ひとつないのに自宅から逃げる主人公。アニメ版では隣近所のおばさんに血だらけで倒れてる母親と一緒にいるところを見られてパニクるという描写があったんだけど、むしろ逃げた方が疑われるだろ?というか母親が殺された現場は自宅でしょ。逃げてどーする?

5.主人公が残念すぎる
小学生のとき同級生の雛月加代が殺害され、その犯人として主人公ともよく遊んでくれたお兄さんが誤認逮捕されてしまった。そこまで戻された主人公は「加代を救い、真犯人を見つければ、母親も救うことができるんだ!」と考えた。

そこで主人公がとった作戦は、雛月加代が殺された日に加代と一緒に過ごせばよいと考えた・・・んだけどちょっと待て。

そもそも母親がなぜ殺されたか?をどうして考えない?それはスーパーでの買い物の帰りに「リバイバル」現象が起きて、母親が何かを見て、犯罪を防いだからだ。『誘拐事件をひとつ防いだかもしれない・・・冗談だよ』って母親がヒントをくれてるじゃん。つまり、犯人が子供を誘拐しようとしたときに自分の母親に顔を見られた、しかもお互い知り合いだったからだ。だから自分の家に母親がいることを突きとめられて殺された、と考えないのはおかしい。加代を救うことで母親も救うことができる、のだとしたら、加代と母親の両方がその犯人を知っている可能性が高い。加代が公園で一人でいることが多く、それを犯人が狙っていたとしても、黙って連れ去られるのはおかしい。それは加代が知っている大人だったからだ、という仮説が成り立つ。

そんな残念な主人公は、いよいよ怪しいと思われる担任の先生の車に一緒に乗るという凡ミスをおかして真冬の海?川?(湖は石狩にない)に落とされてしまいます。そして気がつくと2006年に戻ってるという・・・しかも雛月加代が目の前にいる。というか何でここに戻るかよくわかんないんだけど・・・。アニメ版とはここが違いますね。

さて、小学校の担任の先生が犯人だとわかった主人公はスーパーで先生を待ち伏せ。
そこでとった作戦は・・・ありません!ただ問い詰めるというノープラン戦法です。

おい、事前に小学校の友人だった弁護士に調査してもらった意味がねーよ。

あげく揉みあった末にナイフで首元を刺されちゃいます。遅れて弁護士到着・・・というかなぜこのタイミング?結局、主人公死んじゃいました。

自分は助からなかったけど母親も雛月加代も助けた・・・『僕だけがいない街』ってそんなオチです。

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