呪怨~終わりのはじまり | キャバクラ嬢を口説く為の500の方法 すすきの恋愛論

呪怨~終わりのはじまり

【なんでこうなった?】

男女のカップルの恋を深めるためには、恋愛映画よりもドキドキ・ハラハラするような映画を見たほうがよい。「つり橋効果」というやつですね。というわけでドキドキ・ハラハラというか「呪怨~終わりのはじまり」を観ました。以下、ちょっとだけネタバレします。



[あらすじ]
小学校3年生の学級担任になった結衣(佐々木希)は、不登校の生徒・佐伯俊雄の自宅に行ってから、理解不能な現象に悩まされていた。その家ではかつて凄惨(せいさん)な出来事が起きており、関わった者全員が亡くなるという呪われた場所だった。結衣は吸い寄せられるように、再び佐伯家に向かい……。

あの続きかと思ったらリメイクなんですね。ビデオ版が出てから12年ですか。
でも、リメイクの意味あるかなぁ?VFXの技術が進歩したからって恐怖が増すってわけではないのはクロエ・グレース・モレッツ版「キャリー」をみてわかるとおり。

実は『呪怨』シリーズは一番最初のビデオ版2作が最恐です。

理由もなにもなく、あの家に関わる人間がことごとく呪われていく。そして、その背景になった佐伯家の事件に驚愕する、ってのが恐かったんです。ビデオ版2作が「超恐い(開始から「佐伯剛雄カッターで伽椰子を切り裂き血まみれシーン」を古いフィルム風に撮影がスゲー恐い)」と評判になって、映画化がされていったんですが、ホラーもののパターンとして、リングの貞子のようにしょっちゅう登場させるとコミカルになっちゃうって弱点があるんですね。白塗りにもなれちゃう。だからシリーズは続ければ続けるほど恐くなくなるって可能性を含んでいます。

それを克服するのは結構大変だと思うのです。リメイクだとビデオ版と比較しちゃうからね。

そして、今回はなんと設定を改悪してしまったんです。

俊雄君が父親に虐待を受けて2階の部屋の押入れに放置されて死亡→数年後、その家に佐伯夫婦が引越し→なかなか子供が出来なかったが、やっと息子が生まれ俊雄と名づける→父親になつかない俊雄→佐伯剛雄が怒り狂い伽椰子と俊雄を惨殺

というふうに呪いの発端を俊雄君にしちゃったんですね。

本来の設定は、

伽椰子は大学時代の同級生・小林俊介に片思いし、後年になって自分の息子・佐伯俊雄が通う小学校教師になっていたことを知る。伽椰子は元来思い込みが強いストーカーだったせいもあり、学生時代から俊介への想いを大学ノートに綴り続けていたのだが、教師になった俊介に再会したことで思い入れが再燃焼。より狂信的にノートへの書き込みを始める。
2人目の子供(女の子)を熱望していた伽椰子の夫である佐伯剛雄だが、なかなか伽椰子が妊娠しないことを不審に思って産婦人科を訪れた際、自らが「乏精子症」である事実を知る。担当医の「妊娠する確率は数%です」との発言に、俊雄の父親が自分ではないという妄想に取りつかれる(実際には伽椰子の男性経験は剛雄のみで、俊雄の父親は紛れもなく剛雄であった)。
剛雄は、伽椰子のノートを偶然見てしまったことから、嫉妬に狂って暴力を振るうようになる。俊雄という名前が小林俊介の「俊」と自分の「雄」を取って付けられたものであると判断し妄想を肥大化させた剛雄は、俊雄の父親が小林であるという結論に達する。剛雄は、これまで可愛がっていた息子にも憎悪の感情を剥き出しにするようになり、息子にも暴力を振るうようになる。
ある日、遂に剛雄は猛烈な虐待の果てに伽椰子を惨殺。カッターで彼女の喉や全身を切り裂き、2階に一時放置した。この時点では伽椰子は絶命に至っておらず、半死半生のまま這って階段下まで降りて逃げたのだが、追ってきた剛雄にとどめを刺された。父の連日の虐待で傷付いていた俊雄は、この現場を2階の手すりの間から目撃したため押入れに隠れる。押入れに隠れている最中に俊雄は、母親によって向こう側の世界に連れて行かれた(清水崇監督の談話より)。剛雄は数日後に伽椰子に呪い殺され、変死体で発見された。
以後、佐伯家は無人の家となり、次々と入居者が引っ越してくるが、その家人や親族、事件の捜査をした刑事たち全てが伽椰子の呪いで死んでゆくことになる。


つまり伽椰子の異常性が発端なんです。だからこそ、2階の部屋になんかありそう?とやってくる女子学生を見て観客は『その部屋はヤベー!』ってびびるわけです。

で、今回は俊雄君がやたら出るんだよね。伽椰子はあんまり出てこない。なかなか子供が出来なくてつらい思いを狂信的にノートに書き込むってシーンはあるんだけど、それと俊雄君との繋がりが明確ではないので、伽椰子は変な人扱いに降格です。

さらにトリンドルを部屋の中でぶんまわしワイヤーアクションと佐々木希の恋人役の特殊メイクに至っては残念としかいいようがありません。

新作の『呪怨~ザ・ファイナル』もいずれDVDで観ますけど、もう全然期待してません。

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評価

by G-Tools , 2015/06/29