そして僕は いつもより少し早く起きて
1本 早いバスに乗るようになりました
自分の気持ちに むきあえなくて
なにより君に むきあえなくて
また いつものように
どんどん愚かしい方向へ向かっていく自分を
止められなくて
それからは 言葉を交わすこともないまま
ただひたすらに 時は流れてゆきました
しばらくたった ある日のこと
次の授業がある 校舎へ向かう道のはるか向こうで
ひとり たたずんでいる君を見つけました
もうずっと 君に会っていない
もうずっと 君と声を交わしていない
ひとめでいいから 君と会いたい
ひとことでいいから 君と話したい
抑えていたはずの想いが もう あふれそうで
でも
でも 俺は・・・
君を避けるように
校舎から離れた 購買に立ち寄って
買いもしない本を ただ立ち読みして
授業が始まった頃に
静かに 教室に向かい
一番 後ろの席にすわりました
ふと 気がつくと
少し前のほうの席で
君が なんて表現したらいいかわからない
それまで見たこともなかった
すごくきれいで
でもどこか哀しげな瞳で
僕のほうを 見ていたような気がしました
でも 目があった瞬間
君は ふっと目をそらして
そのとき
もう 後戻りはできないのだと
知ったのです
これで いい
これで よかったんだ
そう 思っていたはずなのに
どうしてこんなに 胸が苦しいのですか?
どうしてこんなに 君の笑顔が頭から離れないのですか?
眠れぬ夜が しばらく続いた後
ついに いちばん聞きたくないうわさが
僕の耳に 届いたのです