堀口大学の詩に、『夏の思ひ出』というのがあり、その出だしは次のように始まります。
貝がらに、海の響が残るように、
私の耳の奥に、彼女の声が残って、
アドヴァンテエジと叫び、
ジュウス、アゲンと呼ぶ。
貝がらに海の響ですぐに連想されるのは、彼が訳したコクトーの『耳』でしょう。
私の耳は貝の殻
海の響をなつかしむ
今年のドイツの夏はほぼ毎日晴れており、気温も30度を超す日も多く、クーラーのない電車で1時間かけて出勤、クーラーのない日系企業のオフィスで週二回とはいえ働くのは、還暦を来年に控えた私にとっては過酷でした。勿論、残る三日はこれまたクーラーのない自宅でホームオフィスです。
ドイツでは暑い日は早朝に窓を開け、8時過ぎには窓だけではなく、シャッターも下ろし、室内温度が上がるのを防ぎます。よって、暑い日は真っ暗な部屋に電気を灯して仕事をすることになります。
そんな中、避暑で7月に4日ほど海に行ってきました。
9月に入り、朝は涼しくなってきており、体力気力が漸く回復しつつあるので、短い夏休暇の海の思い出を題材に久々に和菓子を創作してみました。

