「月刊マンガ少年」時代の高橋葉介 | spanish castle magic
高橋葉介は、朝日ソノラマ発行の「月刊マンガ少年」1977年8月号でプロデビューしました。この雑誌は、手塚治虫の「火の鳥」が連載され、「漫画少年」、「COM」を引き継ぐ雑誌と目されていました。つまり、マンガファンのための雑誌であるとともに、新人マンガ家を育成する場として期待されたわけです。そして、実際に、葉介の他にも様々な新人が登場しました。ますむらひろし、南聖二、佐藤晴美、石坂啓、木村直巳、速星七生などです。

1 ヨウスケの奇妙な世界 (月刊マンガ少年 1977年8、10、12月号、1978年2月号、6月号~1979年8月号)

葉介のデビュー作は、「ヨウスケの奇妙な世界1 江帆波博士の診療室」で、いきなりシリーズ連載です。筆で描いたその絵柄はまさに個性的でした。また、ストーリーもちょっとグロテスクなブラック・ユーモアで、強い印象を受けました。以後、このシリーズは、隔月で掲載され、その絵柄とストーリーのキレの良さで人気を呼び、1978年6月号から毎月連載になります。絵のタッチも結構変わり洗練されていきます。そして、1979年2月号で「ミルクがねじを回す時」、同年5月号で「仮面少年」という大傑作が登場します。ミルクは、吾妻ひでおがパロディにしてましたね。なお、1978年4月号に掲載予定だった「義眼物語」は、1982年8月10日に発行された単行本「腸詰工場の少女」で陽の目を見ています。

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ヨウスケの奇妙な世界PART1 腹話術

サンコミックス(朝日ソノラマ) 1979年5月20日発行

キツネが原(1978.11)/運命の花(1979.11)/カメレオン(1979.11)/不発弾 (1979.11)/ 追跡行(1978.9)/腹話術(1978.8)/卵(1978.7)/死人街奇譚(1978.11増刊)/遊介の奇妙な世界(1978.10)/客(1978.2)/墓掘りサム(1978.6)/ミルクがねじを回す時(1979.2)/笛(1978.12)

 

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ヨウスケの奇妙な世界PARTⅡ 仮面少年

サンコミックス(朝日ソノラマ) 1979年12月25日発行

我楽多街奇譚1 頭に咲く花(1979.6)/我楽多街奇譚2 動物園にて(1979.7)/ 我楽多街奇譚3 私はいかにして引力と手をにぎったか?(1979.8)/江帆波博士の診療室(1977.8)/触角(1977.10)/新しい人形(1977.12)/惑星LOVEの崩壊(1979.4)/仮面少年(1979.5)/ハイ、オカアサマ(1977.12)/荒野(1979.3)

2 ライヤー教授の午後 (月刊マンガ少年 1979年9月号~1980年4月号)

Oc310121 「ライヤー教授の午後」は、「ヨウスケの奇妙な世界」と異なり、登場人物の固定した連載です。ミリオン少年がライヤー教授の不思議な世界に誘われて奇妙な体験をするという形が定型でしたが、12月号からは、ミリオンと教授が気球旅行で不時着した土地の女主人の猫夫人との物語に変わります。猫夫人のキャラクターは超個性的です。                                                                                                  

 

Jn20003_1ヨウスケの奇妙な世界PARTⅢ ライヤー教授の午後

サンコミックス(朝日ソノラマ) 1980年5月31日発行 

第1話 びん詰心臓(1979.9)/第2話 ミリオンの首(1979.10)/第3話 ミリオンのおつかい(1979.11)/第4話 猫夫人(1979.12)/第5話 猫夫人の午後(1980.1)/第6話 広場の演説(1980.2)/第7話 酒場の演説(1980.3)/第8話 悪夢から悪夢へ(1980.4)

 

3 宵闇通りのブン (月刊マンガ少年 1980年5月号~11月号)

アパートの管理人の娘ブンが可笑しくて哀しくてバカみたいな人達との出会いを綴っていきます。

Jn20005_1ヨウスケの奇妙な世界PARTⅣ 宵闇通りのブン

サンコミックス(朝日ソノラマ) 1980年12月15日発行

ファルコンのパイプ(1980.5)/フープァー空をゆく(その1)(1980.6)/フープァー空をゆく(その2)(1980.7)/おじさんの手紙(1980.8)/将軍大いに語る(1980.9)/One Man’s Ceiling is Another Man’s Floor.(1980.10)/パパを待つ(1980.11)/発掘(1980.5増刊)/傷つきやすい青春(漫金超第2号)

 

4 夢幻紳士 (月刊マンガ少年 1981年2月号~5月号)

Oc310431 そして、葉介の最大のキャラクター夢幻魔実也が活躍する「夢幻紳士」が登場します。昭和初期風の時代設定の中、次々と起きる猟奇事件に魔実也がマイペースで立ち向かうという本当に面白い作品です。しかし、マンガ少年の休刊により惜しくも終了してしまいます。「リュウ」で連載が再開しますが、絵柄も服装も変わってしまいました。その後、いろいろな雑誌に登場し、青年の魔実也のシリーズなども生まれますが、僕にとっては「マンガ少年」の魔実也がベストです。

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朝日ソノラマ 1983年3月25日発行

イメージ・ボード(描きおろし)/絵物語・遊鬼塔の怪人(描きおろし)/第1話 顔泥棒(1981.2)/第2話 使い魔の壺(1981.3)/第3話 青蛇夫人(1981.4)/第4話 夢幻少女(1981.5)/第5話 案山子亭(漫金超)/第6話 亜里子の館(エイリアン)

 

5 真琴グッドバイ (月刊マンガデュオ 1981年9月号~1982年2月号)

休刊した「マンガ少年」に変わって創刊されたのが「月刊マンガデュオ」です。今までの少年対象から、少年少女の両方に向けたものになっています。マンガ少年から引き継いだのは、「アンドロメダ・ストーリーズ」(光瀬龍・竹宮恵子)のみでした。「夢幻紳士」も期待していたのですが。葉介の新連載は、「真琴グッドバイ」です。お酒を飲むと屋根に登ってしまう画家志望の大道寺真琴のラブコメディです。絵柄もポップに変えています。しかし、少女向けに誌面改革が行われるため、1982年2月号で終了します。

 

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真琴グッドバイ

サンコミックス(朝日ソノラマ) 1982年7月22日発行

SONO・1(1981.9)/SONO・2(1981.10)/SONO・3(1981.11)/SONO・4(1981.12)/SONO・5(1982.1)/SONO・6(1982.2)/たった一人の日本人(1979少年サンデー増刊号)