しくじった…


暗闇の中、凍える体でなんとか風をしのげる自転車置き場の片隅に辿り着いた。
いったいここはどこだ?

オレはマイケル、静かに町暮らしを楽しんでいたのに…


変な探偵野郎のせいだ…
グレイトンたらいいやがったか!?
オレの彼女アメショーのピーちゃんを拐おうとしやがって…

自転車の前カゴに入れられネットを被せられたピーちゃんを助けようと飛び乗ったら…
あの野郎慌ててオレを振り落とそうとハンドルおもいっきり切りやがって側溝に嵌まりやんの…

その弾みでネットが外れピーちゃんが飛ばされる。
咄嗟にオレは手(前足)のばして助けようとしたら、探偵野郎が何を勘違いしたかオレの尻尾を掴みやがった…
慌てて探偵野郎の顔引っ掻いて飛び上がったらそこに変な白いスーツ着たオヤジが!
そのオヤジの頭を蹴ったらカツラらで…
カツラは後ろの探偵野郎の懐に、オレは足を滑らせて走って来た軽トラの荷台にゴンッ…


気づけば暗がり、どこを走ってるかわからん軽トラの荷台…信号で止まった間に飛び降りた。

で、ここはどこだ?…


世の中全部いかがわC蔵-120115_025503.jpg



月明かりの影が好きだ…

青白い仄かな明かりにうつる影
周りの闇に消えそうで消えない

夜明けまでの幻想的な時間を演出する

歩くとついてくるはずの自分の影が少し遅れるような錯覚
街灯や通り過ぎる車のヘッドライトにあわてて身を隠す月明かりの影

遠慮がちなのか引っ込み思案か…
気が弱いだけか…
優柔不断で大勢に紛れ込んだか…

月明かりはそんな弱い本当の自分を映し出すよう…

だけどその輪郭は鋭くくっきりと浮かぶ

月に見透かされた自分の影は、やがて風が止み夜明け前のわずかな静寂に実体を離れ、何処かへ去って行きそう

瞬きしてるその瞬間にアカンベーってしてるかも…

方向を変え月に向かって歩き始めた…

冷たい風が頬を掠める度に、後ろ振り向き自分の影を確認してる

そこに影が無くなっていても驚かないだろう…
理由はわからない
ただ…納得するだけ…