次男くんだけの夫の呼び方。
大事なことば。
提案したのは私だけど。
まだ"お父さん"と呼びにくそうだった頃
"とんとん、と呼んでみる?"
と言ってみた。
もうお父さんと言えるようになっていても
"とんとん"と言いなおしていた。
仕事でなかなか帰れない夫が
ようやく帰ってきたのを
鍵が開く音で察知して
飛び跳ねて
きゃー!!っと歓声を上げ
長男くんと
走って出迎えた。
夫は不思議な人だ。
職業がらか環境か
生死について深く考えてきた人だ。
最期まで一緒にいた私のことを
責めるどころか
問い詰めることもしなかった。
君が生きていてくれてよかった、と
泣いてくれた。
あの子の顔を見た時に
次男ちゃん、阿羅漢になったんだね
と思ったんだよ
と話してくれた。
私は
何度も何度も
次男くんがどんなにすごい子か言って
と
泣きながら夫にせがんだ。
お釈迦様のことや
仏教のことは全然わからないけれど
何か大きなことを成し遂げて
悔いなく逝ったのならと
なんとか気持ちを
落ち着けようとして
何度も何度も
同じことを夫にせがんだ。
何度も謝らなくていいんだよ
次男ちゃん、ありがとう
という気持ちを届けよう
と言ってくれる。
たぶん本当は
私より泣き虫な夫。
優しくてちょっと頼りなくて
頼り甲斐のある
次男くんの大好きなとんとん。