「GANTZ」30巻(奥浩哉) | 水の中。

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宇宙船内部に広がる巨大な居住空間――

捕えられた多恵は、間一髪で加工処理場からの脱出に成功するものの、異星人の少女に拾われてしまい、ますます玄野と遠ざかってしまうのだが……


GANTZ 30 (ヤングジャンプコミックス)/奥 浩哉
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異星人の侵略がどうこう以前に、
再生されちゃった玄野がふたりいることとか、
加藤が生きてることとか(オイ)を、
思わず忘れてしまいそうな最新巻(いかん加藤ホント忘れそう……)! です。



今現在進行中の「ケイちゃあああん!」「たえちゃああん!」という二人のすれ違いラブ(?)に目をくらまされ、なんつーかこの二人が再会できたらハッピーエンドではないのか? という気すらしてくる最近のGANTZ。
今までの絶望感からしたら、このカタストロフィ編は私にはラブコメくらいに感じられますよ!!



とはいえ、この異星人との「力の差」というのが、技術差でも特殊能力でもなく、「大きさの差」(異星人たらすっごくでかいんですよ! 人類なんか彼らにしてみれば虫くらいなんすよ!)というのが、なんというかスゴイ。
ちょっとこういう種類の圧倒的な力の差というものは想像していませんでしたね……。



彼ら巨大異星人が人類にしていることって、我々人類が小さき生き物に対してしていることと、何ひとつ変わらないのですよ。
踏みつけて殺してみたり、拾ってペットにしてみたり、食用にしてみたり。される側にしてみたら有無を言わさぬ大虐殺なのですが、アリンコで遊ぶ子供にいちいち深い悪意が無いのと同じで、悪意あっての行動ではないのです。



これコワイですよね。
これほど単純で絶対的な力の差があっては、同格の生き物として扱ってもらえない。交渉すらできない。
だからこそのGANTZミッション、戦士養成であったのかもしれませんが……しかしなあ。このでっかいひとたちは、さっさと飽きてヨソへ行ってもらうしかないんじゃないかなーという気がしてまいります。



とりあえず多恵ちゃんが生き残ってるところがミラクル!
(奥せんせい優しいなー)