いまここにある危機(食糧編) | 水の中。

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水の中。-37




「わたし思うのよ……私がもっと家庭的で、かわいくて素敵な奥さんだったら、あなたもっと幸せだったんじゃないかしらって……」


突然のわたくしの涙ながらの独白に、ダンナは動じることなくこう尋ねてきました。
「……おまえ何したの?」
いけない、ここで正直にならないと怒られる。と悟ったわたくし、
「したんじゃないの! むしろしなかったの! いまね、ウチに米が一粒も(いや三粒くらいはあるか?)ないのー!!」


ごごごご、ごめんなさい!! とひたすら正直に打ち明けました。
なんていうかその、要するに忘れてた……。



結局のところ、うどんそばそうめんなどの麺類が互いの実家から絶えず送りつけられる我が家であったので、食糧危機に陥ることなく済みましたが、わたくしさすがにしょんぼりしてしまい、
「もっと素敵な奥さんと結婚してたら、米のない家庭にならなかったよね……?」
などとウジウジ文句を言い続けると、
「いや俺はそんな素敵な奥さんとは上手くいかないだろ」
と慰められました。



そういえばそうかも……。
でも響きが殺伐としすぎてるじゃないですか、「米のない家庭」って。


(「愛のない家庭」のほうがまだロマンがあるっていうか)